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【経済】

「パナマ新文書」120万通 メッシ選手や大統領の名前

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 タックスヘイブン(租税回避地)の内部書類「パナマ文書」の新たな資料を共同通信も参加する国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が二十日までに入手した。二年前と同じ中米パナマの法律事務所から流出した文書百二十万通で、日本人の個人情報流用被害が新たに判明。サッカーのアルゼンチン代表メッシ選手、同国のマクリ大統領らの名前もあった。

 新たな資料は、租税回避地での法人設立を代行してきた法律事務所「モサック・フォンセカ」の内部書類で二〇一六〜一七年のメールなど。最初のパナマ文書報道が一六年にあった後、事務所が混乱した状況も示されていた。

 日本人被害を巡っては、日本語の出会い系サイトを運営する英領アンギラの法人に、少なくとも三人が無断で代表者として登録されていたことが分かった。渡航先のタイで旅券情報が流出し悪用された疑いがある。

 メッシ選手が一六年のパナマ文書報道で関係を指摘された回避地法人に関し、同選手側は当時「全く活動していない」と説明したのに、新資料の事務所内メールは「(同選手は)利用している」と指摘。説明に疑問を投げ掛ける内容となった。同選手は一六年、別の脱税でスペインの裁判所から有罪判決を受けている。

 モサック事務所はマクリ大統領の家族が管理する法人について一六年のパナマ文書報道まで把握しておらず、その落ち度を隠そうと文書改ざんを計画したことも判明。マクリ氏はバハマの法人役員になっていたことがパナマ文書で判明していた。

 資金流用疑惑で捜査されるマレーシアのナジブ前首相の兄弟は英領バージン諸島の会社を通じ米国に資産を持っていた。

 今回の資料もパナマ文書同様、南ドイツ新聞に匿名情報源が提供しICIJが共有。当初のパナマ文書は千百五十万通あり、ICIJは一六年四月に報道を開始した。

 モサック事務所は今年三月閉鎖。設立者のモサック氏とフォンセカ氏は今月、ICIJに「不法行為には関与していない」と説明した。 (共同)

◆邦人ら タイで流出か

 カリブ海にあるタックスヘイブンの英領アンギラに登記された複数の法人に、無関係の日本人が代表者として無断で登録されていた。渡航先のタイで旅券情報が流出し、勝手に使われた疑いがある。法人は日本語の出会い系サイトを運営。本当の代表者は隠された形で、顧客とのトラブルで責任を逃れるためとみられる。

 欧州有力紙南ドイツ新聞を通じ国際調査報道ジャーナリスト連合が入手したパナマ文書の新資料の分析で二十日、判明した。

 新資料にはアンギラ法人設立の書類として、少なくとも日本人四人分のパスポートのコピーと、偽造されたとみられる携帯電話の請求書があった。三人が取材に応じアンギラ法人との関係を否定。タイ国内の両替所などでパスポートを預けたり、コピーを渡したりした経験があると説明した。

 資料には「仮屋」と名乗る人物らが二〇一五年と一六年に交わしたメールがあった。四人のパスポート情報を使い、「アンギラ法人を作成ください(原文のまま)」などと香港の法人設立仲介業者やパナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」の香港支店とやりとりしていた。

 神奈川県の男性(36)と北海道倶知安町のマッサージサロン経営、村上祐司(むらかみゆうじ)さん(32)はいずれも一五年十一月にタイ・チェンマイのマッサージ学校に通った。学校や街の両替所でパスポートを求められ、提示したという。神奈川の男性は「被害の実感は薄いが、個人情報の悪用は許せない」。村上さんは「明るみに出ていない被害がもっとあるのではないか」と話した。もう一人の男性(35)はチェンマイ在住。金融機関や語学学校、両替所などでパスポートを提示しており「流出元を絞り込めない」と述べた。

 新資料に基づく日本国内の取材には共同通信と朝日新聞、NHKが参加した。

<タックスヘイブン(租税回避地)> 税金がゼロか、極端に低い地域。税制上の優遇措置で、外国企業を呼び込む狙いがある。法人活動の規制も緩く、多くの多国籍企業が子会社を設立している。秘密保護の徹底で真の会社所有者がわかりにくく、資産隠しやマネーロンダリング(資金洗浄)、不正会計の温床との批判がある。英国領や英王室属領が多く含まれ、英領バージン諸島、同ケイマン諸島などが代表格。 (共同)

 

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