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【経済】

バーボンはEU報復で痛手 大豆急落しょうゆに好影響 「貿易戦争」日本に余波

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 米国の一方的な貿易制裁に対抗し、中国や欧州連合(EU)が報復する「貿易戦争」の余波が、日本企業に及んできた。影響は明暗分かれるが、今後の不確定要素が多いため、どの企業も困惑を隠せない様子だ。(矢野修平)

 痛手を受けているのはサントリーホールディングス(HD)。子会社の米蒸留酒大手ビームサントリーが、バーボンウイスキー「ジムビーム」を欧州へ輸出している。

 EUに対しては米国が鉄鋼、アルミの輸入制限を実施。EUはこれに対する報復措置として、先月二十二日、米国産ウイスキーに25%の追加関税を課したのだ。サントリーの欧州子会社は、関税を価格に上乗せすると、売り上げが減ってしまうため、自社で負担しており、この分利益が減ってしまう仕組みだ。

 サントリーHD広報は消費者への転嫁は避け「さまざまなコスト削減で対応したい」と利益確保も目指すが、欧米間の摩擦が長引くほど苦しくなる。

 思わぬ好影響が出ているのが、しょうゆメーカーのキッコーマンだ。同社はしょうゆの原料となる大豆の大半を、米国から購入しているが、この米国産大豆の価格が急落し、同社の利益を押し上げる可能性が出ているのだ。

 中国からの幅広い輸入品に追加関税を課すとしている米国に対抗し、中国は米国から輸入する大豆の関税を25%上乗せする方針。米国産大豆の「大口の買い手」だった中国への輸出が減る見通しとなったことが、大豆価格が下がっている原因だ。

 原材料費削減の予想からキッコーマンの株価も上昇。東京証券取引所では先月二十七日には上場来高値を付けた。ただ、同社広報は「低価格が続けばプラス材料だが市場の動向は読めない」と慎重。同社の売り上げはいまや北米向けが日本国内より多く「(報復合戦で)米国経済そのものが落ち込めばマイナスだ」と話す。

 世界的な貿易摩擦の日本企業への影響についてSMBC日興証券の丸山義正氏は「業種によって明暗はあるが、摩擦が激しくなれば世界経済全体が停滞する。結局『貿易戦争』に勝者はいない」と指摘する。

 

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