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【経済】

高いガソリン、原因は…  イラン制裁で夏のレジャーに影響も

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 トランプ大統領のイラン政策をきっかけに、ガソリン価格が上がっている。九日時点のレギュラー平均小売価格は一リットル当たり百五十二円と、五月八日の政策転換発表前から七円上昇。一年前に比べると二十円高い水準。夏休みシーズンを迎え、ドライブや旅行にも影響を与えそう。生活必需品もトランプ氏に振り回されている。

 レギュラー百五十二円の看板を掲げた東京都荒川区のスタンドでは、バイクに給油していた都内の会社員男性(32)が「この値段で車に満タンはつらい。夏休みに遠くに出掛ける時は車を使わずバイクを使う」とこぼした。八丈島に住む公務員男性(35)は「島では百七十円を超えた。高いけど車を使わないと生活ができない」とあきらめ顔だ。

 ガソリンのもととなる原油価格は世界的な好景気で上昇傾向だったが、拍車を掛けたのがトランプ大統領。秋の中間選挙を前に、資金力のある金融界などのユダヤ系の人々の支持を取り付ける狙いもあり、五月にイスラエルと敵対するイランに経済制裁を科すと表明。さらに六月下旬にはイラン産原油の輸入停止を日本など各国に要請した。

 世界第四位の産油国であるイランの原油が市場出回らなくなるとの見通しから原油価格は上昇、ガソリン価格も連動して上がった。

 ガソリンスタンド五店舗を展開する東和興産(荒川区)の林彰社長(67)は「夏場の需要期に節約モードになるかも。先行きはトランプ次第」と警戒する。

 車社会の米国ではガソリン高は一般支持者の離反につながりかねない側面もあり、トランプ氏は最近になってイラン制裁の例外国を認める方針も示し、産油国に増産要請もした。だが、トランプ氏の要請を受け三菱UFJ銀行とみずほ銀行がイランへの送金を停止する方針を固めるなど「イラン包囲網」は現実化している。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田知至氏は「トランプ氏が増産圧力をかけても需給逼迫(ひっぱく)は続きそう。当面は価格が高止まりするとの見方が強い」と話している。 (渥美龍太)

<米国のイラン制裁> 核問題を抱えるイランは2015年7月、米国やロシアなど6カ国との間でウラン濃縮の制限で合意。原油や天然ガスを輸出できるようになった。だがトランプ政権は今年5月に合意からの離脱を表明。制裁を再発動する方針を打ち出し、各国にもイラン産原油購入を停止するよう求めている。

 

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