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【経済】

「森友」解明せず 本命に回帰 改ざん処分、財務次官に岡本氏

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 財務省は27日、セクハラ問題で辞任した福田淳一前次官(58)の後任に岡本薫明(しげあき)主計局長(57)を昇格させる人事を発表した。岡本氏は早くから次官候補とされてきた「本命」だが、森友問題を巡る公文書改ざんが行われていた当時、文書管理の責任者だった。6月に処分を受けた直後の昇格に対して野党などから批判が強まっており、同省の信頼回復に悪影響を与えそうだ。 (白山泉)

 改ざんで辞任した佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官(60)の後任には、代行を務めた藤井健志国税庁次長(55)が昇格。財務省の事務方トップ二人が不在という異常事態が三カ月ぶりに解消される。

 岡本氏は二〇一五年七月から一七年七月にかけて官房長を務めた。文書管理や国会対応の責任者で、一七年二〜四月に行われていた改ざんを知りうる立場。さらに岡本氏は昨年の国会で「専門家でもデータの復元はできない」と答弁するなど、森友問題の真相解明には消極的だった。

 麻生太郎財務相は二十七日の記者会見で、こうした経緯について「直接、(改ざんに)関与していない」と繰り返し、「それぞれのポストにふさわしい人材を配置した」と強調した。

 岡本氏は早くから次官候補と言われていたが、文書改ざんやセクハラ問題など不祥事が続いていた五月ごろには「今、岡本氏が次官になっては国民の理解は得られない。来年だろう」(財務官僚)など、省内には岡本氏を温存するムードが漂った。代わりに過去に麻生氏の首相時代に秘書官を務めた経験がある浅川雅嗣財務官(60)や星野次彦主税局長(58)など「無傷」の幹部の名前が次々と浮上した。

 六月四日、財務省は文書改ざんの内部調査結果を公表。岡本氏については「一連の問題行為を全く認識していなかった」と結論づけたものの「文書厳重注意」の処分とした。その後、政権支持率が緩やかに回復する中で森友問題への批判は弱まったと政権側は判断、既定路線通りに岡本氏の次官昇格に傾いていった。

 今回の人事で、太田充理財局長(58)も文書厳重注意を受けながら岡本氏の後任の主計局長に昇進。美並(みなみ)義人近畿財務局長(58)は戒告処分を受けながら財務総合政策研究所長に就任した。

 共産党の小池晃書記局長は二十七日の記者会見で、岡本氏の昇格について「安倍政権が森友学園問題で国民の疑惑に何ら答えないばかりか、一かけらの反省もないということを物語る人事だ」と批判した。今後、財務省が主導する消費税増税や財政再建など国民の負担増につながる議論を深められるのか、新体制は重い課題を背負った船出となる。

◆4カ月半空席 国税庁長官、即就任会見

 森友問題を巡る公文書改ざんで辞任した佐川宣寿前国税庁長官の後任に27日、藤井健志国税庁次長(55)が昇格した。佐川氏は長官就任時に慣例となっていた記者会見を開かず、批判を浴びた。藤井氏はこの日さっそく記者会見に臨み、「森友問題(の議論)が沸騰しており、税務行政について話せるような状況になかった」と佐川氏の判断に一定の理解を示しながらも、「(就任会見は)貴重な情報発信の機会。今にして思えば、やった方が良かった」と語った。

 長官ポストは3月9日以降、4カ月半にわたり空席が続き藤井氏が職務を代行してきた。藤井氏は佐川氏の辞任について「確定申告期間中の辞職だったことから、現場に負担がかかった」と述べ、信頼回復に努める考えを示した。 (藤川大樹)

 

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