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【経済】

パン店に特化 膨らむ新電力 昼夜価格抑え、契約2400件

「グローアップ」の電力を使用しているパン店=都内で、グローアップ提供

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 町のパン屋さん、ケーキ屋さん向けに特化した電力小売会社「グローアップ」(東京都渋谷区)が急成長している。2016年の電力小売り自由化後、電力大手各社の競争が激化し、新規参入業者の苦境が続く中、社員20人の中小企業ながら販売先を絞り込む異色の戦略で事業拡大を図っている。 (矢野修平)

 グローアップが電力販売を開始したのは一六年五月。製パン業界が電気を多く使うオーブンを利用しており、手堅い需要があることに着目した。販売業界を絞る手法は珍しく、注目を集めている。

 パン店はパンを焼く夜明け前の午前三時から五時ごろに最も多くの電力を使う。大手電力にも深夜料金の安いプランがあるが、その分昼間は割高に設定しており、昼間も営業して電力を使うパン店には利用しづらかった。そこでグローアップは安い深夜の電気を仕入れ、昼間も価格を抑えた料金設定を可能にすることでパン店の実態に合わせた。

 同社の古田高浩社長(38)は「大手電力はパン業界だけの電気の使い方に合わせたきめ細かな電力プランはつくらない」と、強みを語る。

 月五万円の電気を使用する店では、従来の電力会社からの切り替えで年間五万円安くできる。顧客獲得は順調に進み、現在の契約数は首都圏を中心に全国で約二千四百件。同社の調べでは、業界内で新電力を利用しているパン店全体の約五割のシェアを得ている。

 一七年度の売上高は前年比二・九倍の十一億円を見込む。今後は、省エネ機器の割安販売などのサービスも組み合わせて営業を強め、年間九百件の新規顧客増を計画する。

 将来的な電力自由化を見越して〇四年から、パン業界に照準を絞って省エネ機器などの販売を進め、知名度を高めてきたのが功を奏した。

 こうしたユニークな事業に金融業界も支援。同社と取引のあるさわやか信用金庫(渋谷区)の推薦で、信金中央金庫の子会社、信金キャピタル(中央区)が運営する投資ファンドの融資も決めた。ファンドとさわやか信金を中心に約一億六千万円を融資する。

 

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