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【経済】

米、FTA要求の構え あす貿易協議 日本、防戦一方か

 日米両政府の閣僚級による新たな貿易協議(FFR)の初会合が、九日午後(日本時間十日午前)にワシントンで開かれる。米国は農作物などの関税引き下げを狙って二国間の自由貿易協定(FTA)を求める構え。自動車の輸入制限をちらつかせて譲歩を迫ってくる懸念があり、日本が防戦一方となることも予想される。

 協議で米国がやり玉に挙げそうなのが農作物の市場開放だ。中国との貿易戦争で報復措置を受けている豚肉や大豆の米農家の不満が高まっており、中間選挙を控える米政権にとって農業州の支持強化は急務となっている。米側で協議を担当するライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は、農作物の関税引き下げに必要なFTAを求める意向を明言している。

 「豚肉が、日米同盟を守るための身代わりになって、売られてしまうのではないか」。食肉用の豚を年間二万二千頭出荷している千葉県旭市の養豚業者、高木敏行さん(70)は不安を募らせる。

 こうした国内の危機感の高まりを受け、自民党は七月中旬に「協議を、FTA交渉やその事前協議としない」「環太平洋連携協定(TPP)同等の譲歩を行うことはあり得ない」などの申し入れを、日本側で協議を担当する茂木敏充経済再生担当相に提出した。

 政府関係者は「与党の理解を得られないような米国との約束はできない」と話す。多国間協定のTPPと比べ、二国間のFTAは国同士の力関係が反映されやすい。このため、安全保障面で米国に依存する日本は、FTA交渉入りには応じない方針だ。

 だが、経済産業省OBの細川昌彦中部大特任教授は「自動車の輸入制限を、脅しの道具に使ってくる」と指摘する。米国は輸入車への追加関税を検討しており、七月末の米欧首脳会談で欧州連合(EU)は、この回避を狙って米国産大豆の輸入拡大などを約束した。日本にも同様の取引をしかけてくる可能性がある。

 日本は米国産の液化天然ガス(LNG)や航空機などの輸入拡大のほか、日系企業の米国での投資拡大計画などをアピールして、米国の攻勢をかわす方針だ。しかし、「過去の日米協議で示してきた以上の成果が少ない」(政府関係者)のが現状で、米国の納得を得られるかは見通せない。 (矢野修平)

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