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【経済】

アルゼンチン、南アフリカ…新興国に波及 トルコ通貨急落

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 トルコの通貨リラの急落が、他の新興国通貨に波及している。投資家は、新興国から利上げが進む米国に資金を移すリスク回避の動きを強め、アルゼンチンや南アフリカなどの通貨が連鎖的に下落。リラの急落はひとまず落ち着いたが、新興国発の通貨不安は世界経済の足を引っ張りかねない。

 リラは今月になって対ドルで下落基調を強め、十三日には最安値を更新。年初来で四割以上の通貨価値を失った。

 急落の直接のきっかけは、トルコが長期拘束する米国人牧師を巡る外交問題の悪化だ。トランプ米大統領が十日にトルコ産の鉄鋼への関税引き上げを表明したことで、経済の混乱を回避したい投資家のリラ売りに拍車がかかった。

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 リラ急落を受け、他の新興国でも対ドルで軒並み値を下げた。中でも、アルゼンチンの通貨ペソは十三日に最安値を更新し、アルゼンチン中央銀行は値下がりを食い止めるため、緊急の利上げを行った。利上げを通じて、自国通貨建ての金融商品の利回りを良くすることで、投資家にペソ買いを促すためだ。

 新興国の通貨が値下がりしやすいのは、米国が利上げの局面に入ったことが背景にある。二〇〇八年のリーマン・ショック後、日米欧の中央銀行は景気を下支えしようと、利下げや大規模な金融緩和を行い、市場にお金を供給。投資資金は利回りの高い新興国市場に流れ、新興国の通貨が買われた。

 しかし、今春以降、景気回復で米国が利上げを加速させるとの観測が広がり、新興国への投資資金が米国に「逆流」する動きが強まった。新興国の中でも対外債務が多く、財政が不安定な国の通貨が売られやすくなり、ブラジルや南アフリカの通貨は対ドルで年初から10%以上下落している。

 リラ相場は十四日以降、落ち着いているものの、十五日には日本や中国、香港といったアジアの主要市場で株価が下落し、市場の動揺は収まっていない。SMBC日興証券の平山広太シニアエコノミストは「リラ下落を狙う投機筋が今後も仕掛ける時期を見計らっており、危機はまだ去っていない」と話す。 (岸本拓也)

 

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