東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 経済 > 紙面から > 8月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【経済】

「ピアボーナス」やる気アップ 社員同士の感謝 ポイント化、成果給に

写真

 社員同士が感謝し合うことでコミュニケーションを深め、働きやすい職場づくりをする企業が増えている。最近ではインターネットを通じて感謝の気持ちを「ポイント」にして送り、送られた社員の成果給に反映する「ピア(仲間の)ボーナス」と呼ばれる手法が広がってきた。社員のやる気を高めて離職を防ぐとともに、会社側はこれまで見えにくかった社員の貢献を把握できる効果もある。 (吉田通夫)

 「無理なお願いを聞いてくれて、とても助かりました」

 宮崎県串間市の農業法人「くしまアオイファーム」の社員やパートら約七十人は毎月「身近な月間MVP」の社員を選び、スマートフォンを通じてメッセージと千円分のポイントを送る。社員は獲得ポイントに応じて会社から臨時ボーナスを受け取る。月に七千円を得る社員もいるという。

 こうしたピアボーナスを始めたのは二月から。下出淳平副社長は「普段は目立たない社員が頼りにされていることが分かるなど、経営陣は現場の隠れたキーパーソンを見過ごさずに済むし、社員はモチベーションが上がる」と語る。

 ピアボーナスは米グーグルが数年前に導入した。売り上げに結び付かないような小さな仕事を評価につなげて社員のやる気を高めたり、社員同士のコミュニケーションを円滑にして職場環境を改善する効果が注目を集め、導入企業が増えている。

 ピアボーナスのシステムを提供する企業も生まれた。「Unipos(ユニポス)」(東京)は、社員が社内のネット上に同僚の仕事ぶりを投稿し、ほかの社員が見てコメントを送ったり、会員制交流サイト(SNS)で「いいね!」を押すようにポイントを送るシステムを開発した。違う部署や離れた拠点の社員の仕事を知ることができるメリットもある。

 もともとはシステム障害の未然防止など表に出にくい技術者の仕事ぶりを評価するため社内向けにつくった仕組み。昨年SNSで紹介したところ問い合わせが相次ぎ、外販を決めた。

 昨年六月末から約一年で、導入企業はメルカリなど百社を超える。

 ユニポスの斉藤知明社長は「優秀な社員が埋もれてしまったり、上司の顔色をうかがっている社員ばかりが昇進するということがないよう、すべての働く人にスポットライトが当たるようにしたい」と語った。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報