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【経済】

米・メキシコNAFTA合意 日本企業、コスト増懸念

メキシコ中部セラヤにあるホンダの自動車工場=共同

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 米国とメキシコが自動車の関税をゼロにする条件を厳しくすることで基本合意した。メキシコに米国市場向けの生産拠点を展開する日本の自動車メーカーは今後、生産体制の見直しを迫られる可能性があり、状況を注視している。

 「カナダが加わるかどうかなど不確定要素が多いが、新しい条件を満たすには、米国へ生産体制をシフトしなければいけなくなる」。日本の大手メーカー関係者は、米国とメキシコとの合意に警戒感を強めた。

 メキシコには日産、ホンダ、マツダ、トヨタの国内四社が工場を構え、二〇一七年には計約百四十万台を生産。米国などへ輸出している。

 米国とメキシコの合意では自動車をつくる際の域内からの部品調達の比率を現行の62・5%から75%へ引き上げる。これにより日本など域外からの部品調達がしにくくなる。さらに生産工程の40〜45%を時給十六ドル以上の工場で担うという賃金基準も導入された。日系メーカーへの影響について、世耕弘成経済産業相は二十八日の記者会見で「移行期間などが明らかになっておらず、現時点で評価するのは難しい」と話した。

 ただ、みずほ総合研究所の西川珠子氏の推計によると、メキシコで生産する日本車は、エンジンや変速機などの主要部品を日本から輸入。調達比率は平均して現在の基準を満たす程度だ。賃金もメキシコ工場の時給は三〜七ドル程度で新しい基準とは開きがある。

 今後、新基準に対応するために部品の供給網の組み替えや人件費増を迫られれば、生産コストが上昇する懸念があり、北米市場での日本車の競争力低下につながりかねない。

 西川氏は「部品調達の基準を満たせない場合に課せられる関税がどの程度になるかが今後の焦点。それによってメーカーの具体的な対応が決まる可能性がある」と指摘。「税率が低ければNAFTAの枠組みを使わず従来通りメキシコから輸出するメーカーも出てくるかもしれない」とみる。 (森本智之、矢野修平)

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