東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 経済 > 紙面から > 9月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【経済】

微小プラ、世界の水道水汚染 13カ国で検出率81%

写真

 世界十三カ国の水道水のほか欧米やアジア産の食塩、米国産のビールに、地球規模の汚染が問題になっている微小な「マイクロプラスチック」が広く含まれていることを、米ミネソタ大などの研究グループが二日までに突き止めた。水道水の検出率は81%と高く、ほとんどは繊維状で繊維製品由来とみられる。日本の水道水は調査していない。

 マイクロプラスチックが人間の健康に与える影響は分かっていないが、研究グループは「日常生活で避けられない水道水の汚染が世界に広がっていることは大きな懸念材料だ」と警告している。

 米国や英国、キューバ、インドなど十四カ国で集めた水道水百五十九サンプルを分析した。イタリアを除く十三カ国でマイクロプラスチックが見つかった。米国のサンプルからは最多となる一リットル中約六十個を検出。インドやレバノンも多かった。形状は98%が繊維状で平均の長さは〇・九六ミリ。〇・一〇ミリのものもあり、フィルターで完全に除去するのは難しいとみられる。ほかに小さな破片やフィルム状のものもあった。

 欧州、アジア、米国などの産地表示がある市販の食塩十二種と、米国で醸造されたビール十二種の全てからもマイクロプラスチックを検出。米国のボトル入りの水三サンプルにも含まれていた。

 米国人の標準的な消費量に基づくと、水道水と食塩、ビールから年間五千八百個のマイクロプラスチックを摂取する計算になる。水道水由来が全体の88%を占めた。

 汚染がどう広がったかは明確ではないが、繊維状のものは化学繊維製の衣服から洗濯などを通じて大気中に飛散した可能性も指摘されている。

 グループのマリー・コスース博士は「人が口にするもののマイクロプラスチック汚染が深刻化している。プラスチックに含まれたり吸着したりした有害な化学物質が人体に与える影響などを詳しく調べる必要がある」とし、使い捨てプラスチック製品の削減が重要だと指摘した。

◆大気経由で汚染か

<高田秀重・東京農工大教授(環境化学)の話> 水道水やビールなどから広く繊維状のマイクロプラスチックが検出された理由として、化学繊維による大気の汚染が考えられる。化学繊維製の衣服からの飛散、洗濯時の乾燥での飛散などが原因だと思われる。難燃剤など化学繊維に添加される物質の影響を調べなければいけないが、今回検出されたものの大きさや個数などから考えて、現状では人間の健康への影響は小さいだろう。ペットボトルを布や衣服へリサイクルしようとの流れがあるが、結果的に大気やそれを通じた水の汚染を助長する。使い捨てプラスチックの使用量の削減が何よりも重要だ。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報