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【経済】

米、24日に対中関税第3弾 税率10%、5745品目 来年から25%

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 【ワシントン=白石亘】トランプ米政権は十七日、二千億ドル(約二十二兆円)に相当する中国製品に対し制裁関税の第三弾を二十四日に発動すると表明した。これまでは部品や産業機械などだったが、今回は家具、ハンドバッグなど消費者向け品目が多い。年内は10%の関税を上乗せし、来年から税率を二倍以上の25%に引き上げる。中国も報復に動く構えで対立はさらに深刻化しそうだ。

 第三弾が発動されれば、すでに適用済みの関税と併せて、米国が年間に輸入する中国製品のほぼ半分に当たる二千五百億ドル(約二十八兆円)が制裁対象となる異例の事態となる。

 トランプ大統領は声明で「中国は不公正な貿易慣行を見直すのを拒否している」と制裁理由を説明。その上で「中国が報復に出るなら、すぐに二千六百七十億ドル(約三十兆円)相当の輸入品に制裁を講じる」と中国からの全輸入品に関税を課すとした。中国との閣僚級の貿易協議が月末に再開するのを前に、同国への圧力を強める狙いもあるとみられる。ただ米国の制裁発表により中国が協議を拒否するとの見方もある。

 関税を当初の約三カ月間低めに抑える理由について「(米国企業などに)代替製品を探す機会を与え状況に適合しやすくするため」(政府高官)としている。今回の対象品目は消費者向けの製品が多いことから、年末商戦を控え消費者への悪影響を和らげる狙いもある。

 対象品目は当初約六千としていたが、産業界の意見などを踏まえ、米アップルの腕時計型端末「アップルウオッチ」や繊維製品など約三百品目を除外し、五千七百四十五品目となった。

 米国は中国が知的財産権を侵害したとして、七月と八月の二回に分けて、計五百億ドル(約五兆六千億円)相当の中国製品に25%の制裁関税を発動。中国側も同規模の米国製品に報復関税を課した。中国側は米国が第三弾を発動すれば、六百億ドル(約六兆七千億円)規模の米国製品に対して、関税を上乗せする方針だ。

◆中間選挙にらみ強硬

<解説> トランプ米政権が対中関税の第三弾の発動を表明した。消費や生産に影響が出かねないにもかかわらずトランプ大統領が強硬措置に踏み切った背景には、製造業が基盤の中西部などの白人中間層にアピールすることで、一部に劣勢も伝えられる十一月の中間選挙を有利にする狙いがある。

 制裁対象には消費者向けの中国製品も含まれるようになり、米小売業界は「関税を払うのは中国でなく、米国人だ」と反発する。ただ消費者が身の回りの製品の値上がりを実感するにはタイムラグがある。経営者と異なり、消費者の関税に対する関心はまだ薄く、トランプ氏はしばらく時間稼ぎができそうだ。

 一方、生産現場では既に影響が出始めた。関税で採算が合わず、米フォード・モーターは中国で生産した小型車を米国へ輸出する計画を撤回した。だが、トランプ氏は製造業で働く中間層が主な支持層。中国事業が割に合わなくなり、米国企業が国内に戻れば支持を強固にできると踏んでいる。

 米国の政治的分断が進む中、選挙のカギを握る少数の激戦州で自らの支持基盤が歓迎する政策を追求することで、二年前の大統領選同様に勝利を狙う戦略だ。中間選挙が近づく中、トランプ氏の中国に対する強硬路線は当面続きそうだ。 (ワシントン・白石亘)

 

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