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【経済】

日本、農業関税引き下げ視野 米と新貿易協議検討

 日本政府が、米国との間で農業での関税引き下げも視野に入れた新たな二国間協議を始める検討に入ったことが二十三日分かった。十一月に中間選挙を控えたトランプ米政権は自動車・同部品への追加関税をちらつかせながら、日本に対米貿易黒字の削減を強く要求しており、政府は国内経済への打撃が大きい自動車の関税引き上げを避けるには、二国間協議に応じざるを得ないと判断した。

 二十六日午後(日本時間二十七日午前)に米ニューヨークで開く日米首脳会談で新たな協議の枠組みについて合意できれば、共同文書として発表する見通しだ。日米両政府は二十四日午後(日本時間二十五日午前)に閣僚級の貿易協議(FFR)を開く。茂木敏充経済再生担当相がライトハイザー米通商代表部(USTR)代表に新たな協議入りを打診し、詰めの調整を進める。

 米国は、牛肉などの関税削減を狙って二国間の自由貿易協定(FTA)を求めている。これに対して日本は環太平洋連携協定(TPP)に米国が復帰するよう求めてきたが、米国は現行2・5%の輸入乗用車への関税を25%に引き上げる検討を開始。日本にも不均衡是正を迫っており対米関係を重視する政府は配慮をせざるを得ないとしている。

 二国間協議の関税交渉では政府は「TPPで合意した以上のことはできない」(茂木再生相)方針だ。例えば、TPPでは現在38・5%の牛肉関税を最終的に9%まで下げるが、米国に牛肉の関税を求められても9%より低くしない考えだ。だが、米国がTPP以上の譲歩を求めてくる可能性も高い。また、政府は二国間協議に入る前提として、米国が検討している輸入車への追加関税の対象から日本車を除外するよう求める方針だが、トランプ政権が日本の要求を受け入れるかは不透明だ。

 国内農家からはTPPから脱退した米国向けに関税を引き下げることへの警戒感が強く、政府は国会などで米国とは「二国間のFTA交渉や予備交渉はしない」と説明してきた。だが農産品を含む関税協議に合意すれば、「事実上のFTA交渉になる」として農業団体からの批判が強まる可能性もある。 (矢野修平)

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