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【経済】

貿易共同声明 日米で食い違い鮮明

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 日米が先月の首脳会談で合意した、新たな二国間の関税交渉入りを盛り込んだ共同声明を検証したところ、両政府の食い違いが鮮明になった。米国側が発表した声明は、新たな貿易協定の対象に物品だけでなくサービスなどを含め、日本側にある物品貿易協定の略称「TAG」の表記がない。日本は過去の首相発言との整合性を取るために造語のTAGを前面に出し、米国が想定する広範囲な分野を対象とする「自由貿易協定(FTA)」と受け取られないようにしたとみられる。

 米国が発表した共同声明では「貿易協定(Trade Agreement)」の頭文字は大文字だが、「物品(goods)」は小文字で強調していない。さらに「as well as(同様に)」と続け、サービスなどの重要分野を物品と併記している。在日米国大使館はこれを「物品、またサービスを含むその他重要分野における日米貿易協定」と訳している。

 一方、日本政府が発表した日本語の共同声明では「日米物品貿易協定(TAG)」と物品だけを対象とし、米国側にない略称を加えた。サービスなどの重要分野は協定に含まれないような表現をし、協定から切り離して協議することをアピールした。日本政府が発表した英文の声明は米国とほぼ同じ表現だ。

 通商分野の国際条約に詳しい東京大の中川淳司教授は「日米とも英文では物品とその他の分野の前に、いずれも『on』があって並列している。物品とその他の分野を含めた協定と読むべきだろう」と指摘する。

 安倍晋三首相はこれまで、国会などで米国とFTAの予備協議は行っていないと説明。日本側の声明にあるTAGは「包括的なFTAではない」と主張している。 (矢野修平)

 

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