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【経済】

日本 いきなり守勢 米、対日交渉は「FTA」

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 日米両政府が九月末に合意した貿易協定交渉を巡り、トランプ米政権が日本に揺さぶりをかけてきた。日本は新協定を自由貿易協定(FTA)と位置付けず、関税交渉では従来の経済連携協定(EPA)の水準が最大限と主張するが、米高官はことごとく否定。安全保障を絡めて「米国第一」の要求をのませる強硬姿勢を打ち出しており、年明けに本格化する交渉は、日本が防戦一方となりそうだ。

 ペンス米副大統領は四日の演説で「日本と歴史的なFTAに関する交渉を間もなく始める」と明言した。日本は米国と交渉する協定は「物品貿易協定(TAG)であって包括的なFTAとは異なる」と主張し、食い違いが表面化した。

 また、パーデュー米農務長官は同日、日本が欧州連合(EU)と結んだEPA水準以上の農産品関税の引き下げを求めると記者団に表明。日本が安全保障面で米国に依存していることにも言及し、外交問題を絡めたディール(取引)を迫る姿勢も示唆した。

 日本はこれまで、国同士の力関係が反映される日米FTA交渉は劣勢が見込まれるため、応じない方針だった。米国との過去の協議も「FTAの予備協議ではない」と説明してきた。しかし米国が輸入車への追加関税をちらつかせる中で方針を転換し、二国間交渉を受け入れた。

 ただ、日本は交渉開始に当たって農家への配慮を重視。先月末の首脳会談の合意文書に、日本の農産品関税は過去のEPA水準が最大限であることを米国が「尊重する」との文言を盛り込ませた。さらに新協定は「FTAではない」と強調し、これまでの国会などでの説明と整合性を取ったとみられる。

 政府の交渉関係者は「日米関係は悪化させられないから、交渉は拒み続けられない。その代わり農産品関税は過去のEPA水準を最大限とする『ピン留め』をし、それ以上は譲らないようにした」と説明する。こうした政府の対応を踏まえ、吉川貴盛農林水産相は五日の記者会見で「過去のEPAが最大限と首脳間で、合意文書で確認した意義は大きい」と米農務長官の発言に反論した。 (矢野修平)

 

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