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【経済】

ETF買い 月間最高 日銀、株価テコ入れ鮮明

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 日銀は二十九日、日経平均株価に連動する上場投資信託(ETF)を七百十五億円買い入れ、十月の購入額が月額ベースで過去最高の八千六百七十六億円となった。十月は米国の株価急落をきっかけに世界的な株安が進み、日経平均も急落した。日銀はこれまでETF買い入れは株価押し上げのためでないと主張してきたが、市場が不安定だった同月の購入額が急膨張したことで、日銀による「株価テコ入れ政策」の色彩が鮮明になった。 (岸本拓也)

 ETFは、複数の大企業の株式を組み合わせた投資信託で、日経平均株価などに沿って値動きするように構成されている。日銀はETFの購入額を段階的に増額しており、現在は年間六兆円を買い入れる方針を掲げている。日銀は買い入れ基準を明らかにしていないが、市場では「株価が大きく下がると、日銀が午後にETFを買う」(大手証券)といわれてきた。

 今月は、日経平均株価が二日にバブル後最高値を更新した後、米国株などの下落に引きずられ、三週間余りで三〇〇〇円超下落した。日銀は株価が下がるたびに、ETFを毎回、七百億円ほど購入。買い入れ合計は二十九日までにこれまでの最高だった今年三月(八千三百三十三億円)を上回った。三月も日経平均が一〇〇〇円近く急落するなど株価が不安定だった。

 買い入れ回数も過去最多タイの十二回。この日の東京市場も下落基調だったが日銀の買い支えなどで、下落幅は小幅にとどまった。

 株が下がれば日銀が買い支えに動く状況が定着すれば、「下がっても日銀が買ってくれる」と投資家がリスクを甘く考え、バブルにつながりやすくなる。

 日銀のETF保有額は簿価ベースで二十二兆円を超え、間接的に企業の大株主化も進む。「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングや京セラなどで実質的大株主となっており、「株主による経営監視が機能しない」(エコノミスト)との批判がある。

 日銀は七月、六兆円の買い入れ枠を、市場環境に応じ「上下に変動しうる」と修正しており、市場の動き次第では、買い入れ額が六兆円の枠を超え、さらに膨れ上がる可能性もある。

 

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