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【経済】

「休眠預金」引き出してみました 事前の電話相談がおすすめ

平成5年7月を最後に残高記載のない預金通帳

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 十年出し入れがない金融機関の口座を「休眠預金」と定め、お金を公益活動に使う制度が来年一月一日から本格スタートする。それまで一カ月あまり。政府は「休眠預金になっても引き出しは可能。金融機関に申し出を」と「今まで通り」を強調する。では今、休眠状態の口座からお金を引き出すにはどんな手続きが必要になるのか。実際にやってみた。 (池井戸聡)

 ■学生時代の通帳

 五十歳の記者が東京都内の自宅で「発見」したのは、大学生だった二十六年前に開いた旧東海(現三菱UFJ)銀行京都支店の普通預金口座。通帳には一九九三(平成五)年七月を最後に二十五年超、残高記載がない。

 都内の三菱UFJ銀の支店へ。ATMに通帳を挿入したが「取り扱いできません」の表示。職員に尋ねると「二階の窓口へ」と案内された。通帳と印鑑、運転免許証を示し、待つこと十数分。「四千三百九十五円の残金があります」。思わず万歳した。この日までの利息二百十円も付いていた。

 大半の銀行は十年超出し入れがなく住所変更がない口座などを「睡眠預金」とし、ATMでの記帳ができない。だが各行とも窓口では残高を調べてくれる。

 ただ三菱UFJ銀の場合、一定時期より古い睡眠預金口座の復活はできず、記者はこの口座を解約した。また今回はすぐに残高照会できたが、定期預金などは数日かかる場合もある。いずれも払い戻しは可能。残金を現金で持ち帰るか、本人名義の三菱UFJ銀の別口座に移すかの選択を勧められ、別口座に移した。手数料は不要だ。

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 ■カードだけでも

 旧太陽神戸三井(現三井住友)銀行の睡眠状態の口座はキャッシュカードだけを発見。三井住友銀の支店窓口でカードと身分証明書などを示すと、残高照会の手続きをしてくれた。

 旧太陽神戸三井銀が名称を変えた旧さくら銀と旧住友銀が合併して誕生した三井住友銀。旧住友銀へのシステム統合に伴い旧さくら銀の発足前からの睡眠預金の残高照会には一定の時間がかかる。五日後に「残金ゼロ」の電話。もし残金があれば、必要な手続きを経た上で受け取りが可能で、三井住友銀の場合、睡眠預金口座の復活もできる。

 ■地銀は東京でも

 多くの地方銀行は都内に支店を持ち、睡眠預金の残高照会に応じてくれる。ただ待ち時間が長くかかることがあり事前の電話相談が便利だ。記者は京都銀行東京営業部に普通預金口座の残高を電話で問い合わせた。本人確認の手続き後「残高四円。東京での受け取り可能」の電話があった。

 一方、東京では残金を受け取れず、口座を開いた支店に出向くか、振り込みしか対応しない地銀もある。他行への振り込みには数百円の手数料が必要で、残金がそれ以下の少額だと受け取りの判断は難しくなる。

<睡眠預金と休眠預金> 年約700億円発生する10年出し入れがない預金は従来「睡眠預金」と呼ばれ、金融機関の利益に算入されていた。2016年に休眠預金等活用法が成立。09年1月以降、10年出し入れがない預金は19年1月以降「休眠預金」となり、お金は預金保険機構(預保)に移る。預保はこれを政府指定の活用団体に交付。お金は複数の資金分配団体を通じてNPOなどに渡り、若者の支援などに使われる。近く政府が決める活用団体などの選定基準には「不透明」との批判もある。

 休眠預金にならないようにするには住所変更届を出しておくことが重要。出入金が長期になくても1万円以上の残金があり、金融機関から郵便や電子メールなどの「通知」が届けば、休眠預金にならない。

 

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