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【経済】

新小型原発 官民で開発 段階的に財政支援

 経済産業省は五日、原子力政策を議論する審議会、原子力小委員会(安井至委員長)を開き、新型原発を民間の力を活用して開発する案を示した。原発を地球温暖化対策に必要な電源と位置付け、小型モジュール炉(SMR)や高温ガス炉などの開発を進めたい考え。同省は年明けの小委員会で、さらに議論を詰める。

 経産省は「二酸化炭素を出さない電源が世界で求められている」として、温暖化対策として原発開発を進める必要性を強調。主要部品を工場で製造することで建設費が安くなるとされるSMRについて、燃料を交換せずに十年以上運転が可能で、大規模な電源が必要ない地方などで分散型電源として有望とした。

 日本原子力研究開発機構が開発中の高温ガス炉では電力だけでなく、発電に伴う熱を利用、地域暖房やエネルギー蓄積用の水素の製造も可能と指摘した。

 電源が喪失しても冷却剤が自然循環して炉心を冷やす方式の小型原発も例示した。

 「夢の原子炉」とされた高速増殖原型炉もんじゅは国主導で開発を進め、一兆円を超える国費が投入されたが、ほとんど稼働せずに廃炉が決まった。これを踏まえ、経産省は米国の例を挙げ、国は開発の方向性を示すが、開発する技術の最終的な選択は民間に委ねる方式を提案した。

 政府は公募した複数の計画の基礎研究を予算支援し、商用化できそうな計画を絞り込んだ上で、さらに予算投入する段階的な支援策を想定している。国が持つ原子力関連の施設も民間に提供。海外企業やベンチャー企業も加え、開発を競わせる想定だ。

 一方、委員からは慎重な意見も出た。遠藤典子・慶応大大学院特任教授は「メーカー各社は軽水炉のSMRには二の足を踏んできた。(SMR開発という)方針転換は人材、資金の面で可能なのか」と疑問を呈した。関西電力の森中郁雄・原子力事業本部長代理は「SMRは(従来の原発用の)今の規制基準では成り立たない」と述べ、別の基準が必要だとの認識を示した。 (伊藤弘喜)

 

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