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【教育ニュース】

私大定員超え 罰則強化せず 混乱回避 3年後再検討

 文部科学省は十八日、都市部の私立大への学生集中回避に向け、入学定員を一人でも超えた場合、二〇一九年度から超過人数に応じて助成金を減額するとした罰則強化策の導入を当面見送ると決めた。近年の対策で合格者の抑制傾向が鮮明となり、受験競争が激化。入学式直前まで追加合格を出す大学が続出するなど混乱が生じていたが、今回の見送りで門戸が一層狭くなることは避けられそうだ。十九日にも各大学に通知する。

 私大は従来、大規模校では入学定員充足率を120%までに抑えれば助成金が交付されていた。しかし、都市部を中心に辞退に備え合格者を多めに出してきたため地方の若者離れが進んだとして文科省は不交付基準を厳格化し一六年度は117%、一七年度は114%、今春は110%とした。

 一九年度は今春の基準に加え、100%を超えた場合にさらに減額も行うとしていたが、これまでの措置で一定の効果が出たと判断した。

 基準厳格化により最初に合格者を絞って状況を見ながら、三月末ごろまで追加合格を小出しにして調整するケースも相次いだ。進学先が直前に変わることになる受験生の心理的な負担が増加し大学関係者からも是正を求める声が出ていた。

 こうした状況を踏まえ文科省は一九年度の厳格化を当面見送り、三年後をめどに実施の是非を改めて判断することにした。

 一九年度は今春のルールを継続し、大規模校では110%以上となった場合に不交付とする。中規模校は120%、小規模校は130%を基準とする。一方、自助努力により定員の90〜100%に入学者数を抑えた私大には助成を増額する。

 日本私立学校振興・共済事業団の調査によると、三大都市圏の私大全体の入学状況は、一四年度に定員の106%だったが一八年度には103%に低下。その他の地域は96%から101%に改善した。都市部の中・大規模校の入学定員超過数の合計もここ数年で約八千人減った。

◆受験生ひとまず朗報

<教育情報会社「大学通信」常務の安田賢治氏の話> 入学定員の厳格化が年々進み、私立大は当初の合格者数を抑え、定員に満たない場合は繰り上げ合格で補うようになっている。受験生にとっては入試の難化に加え、繰り上げの可能性が残るため入学先をなかなか確定させられず、深刻な状況が生じていた。文部科学省が定員超過時の新たなペナルティーの導入を見送ることで、私大側が合格者数を絞る動きに歯止めがかかると見込まれ、受験生には朗報と言える。ただ、今春並みの定員規制が残る以上、影響は限定的だろう。

 

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