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【教育ニュース】

東京医大不正入試 最終報告書 年の瀬、突然の公表

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 東京医科大の不正入試問題を巡る第三者委員会の最終報告書は、国会議員や同窓会関係者らの依頼で、特定の受験生を優遇するなど数々の不正が長年続いた疑いを指摘した。年の瀬の二十九日夜にホームページに突然アップするという公表方法には文部科学省も当惑。当時の合格ラインを超えていた不合格者も新たに判明し、被害者側からは救済を求める声が上がった。

 「もし入学を許されましたら、育てていただく大学のためには寄付は三千万円は用意するつもりでおります」。臼井正彦前理事長(77)=贈賄罪で在宅起訴=が保管していた受験生側からの手紙には、入試での優遇の「見返り」に関する生々しい記述が残されていた。

 第三者委はこうした手紙をはじめ、東京地検特捜部が捜査過程で前理事長らから押収した資料のコピーを入手。前理事長が優遇する受験生について記したとみられるリストには、受験生のほか紹介者と思われる記載があり、中には国会議員を含む複数の政治家や同窓会関係者の名前もあった。

 報告書は、女子や浪人生への一律の差別的扱いが二〇〇六年から始まったと認定。一方、政治家の口利きや同窓会関係者の依頼を受け、特定の受験生を優遇する事例は、それ以前から行われていた可能性が高いとした。さらに、入試で優遇された受験生側から大学関係者への謝礼金の支払いや、小論文の問題が漏れていた疑いも指摘した。

 医学部入試を巡って、文科省は十四日、東京医大を含む九大学での不適切入試を認定し、聖マリアンナ医科大も「不適切な可能性が高い」とする緊急調査の最終結果を発表した。調査に一区切り付け、入試の正常化に向けた取り組みに軸足を移したところだった。

 しかし、政治家の関与など今回公表された事例の多くは、文科省調査では出てこなかった疑惑だ。東京医大は今回の第三者委の報告書を、二十九日夜にホームページ上のみで公表。寄付金に基づく優遇は公正な入試を求める文科省の通知にも抵触するだけに「東京医大からの報告は公表直前で、こうした内容とも予想できなかった。年明けに詳細を聴きたい」。文科省幹部は戸惑いながら語る。

 東京医大側は今後、記者会見をする予定はないとしている。「東京医大等入試差別問題当事者と支援者の会」の井戸まさえ共同代表は「東京医大は会見して、政治家名の公表を含めきちんと説明すべきだ」と責任の明確化を訴える。

 

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