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【NIE】

<学校と新聞>先生同士のNIE ノウハウの継承が課題

週1回の「NIEたいむ」で熱心に新聞を読んで気になる記事を切り取る滝野川小学校の児童たち

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 金曜日の午前八時半。にぎやかだった四年生の教室が静まり返った。聞こえるのは児童が新聞をめくる音だけだ。

 東京都北区立滝野川小学校(大瀧浩之校長)。教育現場で新聞を活用するNIE活動に力を入れており、週一回、一時間目の授業前に十五分間の「NIEたいむ」を設けている。数分後、児童たちは記事や写真を切り取って所定のワークシートにはり付け、要約や感想を書き始めた。

 早い子は十分余りで書き終えるが、そんな子ばかりではない。張嘉芳(ちょうかよし)先生(32)は記事がどこまで続いているかつかめない児童に「ここまであるよ」、漢字が読めない子には「これはね…」と丁寧に指導していた。

 同校のNIEたいむ導入は五年前。関口修司前校長(62)の主導で始まった。六年担任でNIE担当の水木智香子先生(28)によると、児童の読み書きの速度が上がり、まとめる力がついているという。

 要約や感想書きだけではない。水木先生のクラスは昨年、女子フィギュアスケートの浅田真央さんの引退会見の新聞各紙の写真を示し、笑顔の写真と、背を向け涙をこらえる写真のどちらがいいか聞いた。「笑顔の方が真央ちゃんらしくていい」「泣いている写真は人間らしい」と活発な発言があり水木先生は「新聞を読むことで自分の興味や好きなことを認識し、意見を言えるようになった」と話す。

 こうした効果を期待し、低学年でも「面白い写真を集めてみよう」などのNIEたいむを行っている。

 課題もある。一番は先生同士のノウハウの継承だ。本年度、同校は全学年で九人の担任が転出。後任の大半はNIE未経験か新卒の先生だった。四月末に早速、教師向けのNIEたいむを行うなどの研修を行い指導したが、多くの通常業務がある中で、先生が自ら手を伸ばして覚え、いつもニュースに目を光らせる必要があるNIEは手間の掛かる活動でもある。

 だが水木先生は「新聞は教科書にはない最新の情報があり、子どもと社会を結び付けるツール。若手の先生をしっかり育成して継続させたい」と力を込める。 (上田融)

 

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