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【NIE】

<新聞で新聞を作る>紙面にあふれる 伝えたい気持ち

 「『伝えたい』という気持ちが紙面にあふれてる」「作っている人もうれしそう」「『まとめ』があってわかりやすい」「レイアウトが見やすい」「イラストのインパクトがでかい」

 今月上旬、群馬県千代田町立東小学校におじゃました。東京新聞主催「新聞切り抜き作品コンクール」の応募に向けた五年生対象の出前授業のためだ。三月、社会部から読者部に異動した記者にとっては新しい職場での初仕事。これがとても刺激的だった。

 冒頭に書いたのは、授業での児童の言葉。講師を務めた本紙NIEコーディネーターの神部秀一東京未来大教授が、過去のコンクール応募作品二つを黒板に貼り、「一方は最優秀賞、もう一方は優秀賞。AとB、どっちが上だと思う? 理由も合わせて考えて」と尋ねたことへの、答えの理由だ。「斜めの見出しがかっこいい」「色を効果的に使ってあって見やすい」「見出しのデザインが面白い」などの意見も出た。

 切り抜き作品は、応募者が自ら選んだテーマに沿って切り抜いた新聞記事を模造紙に再構成して作った壁新聞のようなもの。だが、彼らの言葉はそっくりそのまま、本物の新聞づくりにも当てはまると思った。

 これまで、記者として「書き手が面白いと思っていない記事を読み手が面白がるわけがない。まずは取材者本人が面白がろう」と心掛けてきた。この感動を多くの人に伝えたい。この怒りを共有したい。よりわかりやすく、より見やすく、インパクトをもって。紙面からにじみ出る作り手の思いは、小学生にも伝わるのだと痛感した。

 授業を受けた池田苺(いちご)さん(11)は「新聞をよく見ると面白い記事がたくさんあった。動物、自然、五輪など興味ある記事を切り抜いてみんなに伝えたいと思った」。小松陽人(はると)君(10)は「大事なところに線を引いて切り抜くのが楽しかった。コンクールで賞を取りたい」と話した。

 「思わず読みたくなる」新聞の極意を教えてくれた「小さな先生」たち。本年度のコンクールには一都六県の六十超の学校から約千七百点の力作が届いた。新年度はどんな作品が寄せられるのか。今から楽しみです。 (井上圭子)

 

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