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【NIE】

<知りたいコトバ 知っている?言葉>新米

 もうすぐ多くの新社会人が誕生する四月です。新しく物事を始めてまだ日が浅い人を「新米」と呼ぶことがあります。新人を新しくとれた米に例えたと考えたくなりますが、実は語源は別の言葉なのです。

 新人を意味する新米は「新前(しんまえ)」の音が転じた言葉といいます。新前の「前」は「三人前」「分け前」と同じ使い方で「それ相当、その分」のことです。「新」を「熟練していない」と取れば、新前は「未熟に相当」ということになります。

 日本国語大辞典を見ると、既に江戸期には新人の意味で新米を用いた例があります。他方、新前も夏目漱石が作品中で用いていることから、かつてはどちらも使われていたとみられます。いま新前を広辞苑、大辞林、大辞泉で引いても言葉の説明がない空見出しです。見聞きしなくなったからか、説明は新米の項に入っています。

 逆に米から前に音が転じたのが「上前」です。売買代金や賃金から仲介者が取る手数料をいいますが、元は「上米(うわまい)」でした。神社などが自分の領内を通過する年貢米を一部寄進させた江戸期の通行税です。 (重松洋一)

 

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