東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 教育 > NIE > 記事

ここから本文

【NIE】

スクラップはリトマス試験紙 自分の興味、浮かび上がらせる

スクラップブックを開く日那さん=都内で

写真

 「こんにちは」。明るい声で挨拶(あいさつ)してくれたのは日那(ひな)さん。現在高校二年生の教え子です。中学卒業後に新聞スクラップを始めたと聞き、母校に招いて話を聞きました。

 −なぜ新聞スクラップを始めたの。

 「生物の先生が『記事をスクラップしていると、ある時突然、リトマス試験紙のように自分の興味が浮かび上がってきます』と話してくれたからです」

 −始めてみたら大変だったのでは。

 「要約がうまくできなかったり、感想をまとめるのが難しかったり。最初に読んだ感想を書こうと読み返すと、また新たな感想が浮かび上がり、まとめるのが大変でした」

 −選ぶ記事の傾向は。

 「学校教育に関する記事が多く、自分でも意外でした。先日、小学校にボランティアに行き、将来は小学校の先生もいいかもしれないと思い始めました」

 −生活への変化は。

 「今までは興味のあることを表面的にネットで調べるだけ。今は知りたいと思う気持ちが強まり、深く調べるようになりました。『没頭している時は止めず』という藤井聡太さんのお母さんの記事(二〇一八年六月七日、毎日新聞)は、スクラップを始めたからこそ興味を持ちました」

 −家族と新聞の話はしますか。

 「親が記事を薦めてくれるようになりました。『オウム十三人死刑執行 村上春樹氏寄稿』(一八年七月二十九日、同)は母が紹介してくれた記事。これを機に、村上さんの『アンダーグラウンド』を読もうと思ったんです」

 −続ける苦労は。

 「毎日、新聞全部に目を通し、記事を選び、スクラップする点が大変です」

 −全部読まなくてもスクラップはできますよね。

 「リトマス試験紙のお話がいつも心に残っていて。どこに自分の興味につながるものが紙面に転がっているか分からないから」

 −今後も続けますか。

 「自分の興味がはっきりしてきたので、読み続けることで将来につながるきっかけを探したいです」

 そう話す日那さんはキラキラと輝いて見えました。 (東京都公立中学校主任教諭・穐田剛)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報