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【NIE】

<学校と新聞>続けられた特別スクラップ 「自分とは違う」広がる視野

「特別スクラップ」を完成させた2年の生徒ら

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 「もったいないな」。今年の春休み、私は元一年C組の新聞スクラップノートを見ながら思いました。一年から二年になるときに一学級減り、昨年度内に終わらなかったA組とB組の二冊目のスクラップノートは二年の各組に移行したのですが、C組分は移行先がありません。しかも三分の二も残っています。

 そこで、特に熱心な生徒二十人で続けることにしました。四月、生徒たちを集め、「このノートを完成させよう」と伝えました。なぜこの顔ぶれかも説明した上で。さすがは精鋭たち、全員文句も言わず私のむちゃなお願いを聞いてくれました。四人ずつ五グループに分け、グループ全員に回ったら私に提出する約束をしました。

 運が悪いと通常のクラススクラップと重なるので、完成までには時間がかかると思っていました。二年前、有志で始めたときは一冊に十カ月以上かかりましたから。しかし、取り越し苦労でした。サボる生徒は皆無。最短で終わりました。記事選びも多岐にわたり、「最古の日本全図」「外国人就労拡大を表明」「東京高裁 袴田さん再審認めず」「『八ッ橋』創業年巡り提訴」「競技団体 五輪・パラ一体化へ」「絶滅危惧四千種を追加」など、読み応えのあるものばかり。

 後日、放課後に五人のグループ長を集めて話を聞きました。麗華さんは「自分とは違うまとめ方が参考になった」と感謝し、遥さんは「クラススクラップは学級の人数が増えてなかなか回って来ないので、こちらがあって良かった」と感慨深げ。真奈さんは「自分が選ばない記事をみんなが選んでいて視野が広がった」。嶺花(れいか)さんは「ぎっしり書いてあって読み応えがあった」と振り返りました。

 大変だったのは真鈴さん。「特別スクラップの三日後にクラススクラップが回ってきた。新聞を読む機会は倍になりましたが」。「私も三日後に回ってきた」と麗華さん。最後に遥さんが「任された人が責任を持って取り組んだからこそ、素晴らしいスクラップになったと思う」と話すと、拍手が起きました。このノートは今、図書室入り口の一番目立つ場所に展示してあります。 (東京都公立中学校主任教諭・穐田剛)

 

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