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【NIE】

<知りたいコトバ 知っている?言葉>とうけい

 今年は江戸が東京に改称して百五十年です。実は明治後期まで東京の読み方には決まりがなく、「とうきょう」「とうけい」に割れていたことがあります。仮名垣魯文(かながきろぶん)「安愚楽(あぐら)鍋」の序文「東京本石街」や山田美妙「武蔵野」の本文冒頭「ああ今の東京」は、とうけいと読んだ例です。

 書誌学者の森銑三は著書「明治東京逸聞史」で、米汽船会社から正しい東京の読み方を聞かれたという一九〇〇(明治三十三)年の記事に「トウケイという人の存外多かったことが分(わか)る」と述べています。

 都公文書館のウェブサイトには「旧幕時代をしのぶ人の中には『トウケイ』派が多かった」とあります。「『京=キョウ』という上方風を嫌い、『京=ケイ』と読む」親江戸幕府の「頑強な『ご老輩』」がいたそうです。京都から来た明治新政府への反発でしょうか。

 東京の読み方がとうきょうに決まるきっかけは、明治後期の国定教科書といいます。文部省「尋常小学読本」中の「東京(トーキョー)」に準じ、とうけい読みは廃れていったようです。 (重松洋一)

 

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