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【放送芸能】

ユニドル増殖中 一夜限りのスポットライト

 「モーニング娘。」やAKB48、ももいろクローバーZ…。そんなアイドルグループのダンスをコピーして競う女子大生たちのコンテスト「UNIDOL(ユニドル)」が人気を集めている。「アイドルは好きだけど、アイドルになりたいわけじゃない」という彼女たちが目指すのは、あくまで“一夜限りのステージ”だ。16日には日本一を懸けて、全国のユニドルたちが東京・新木場に集う。 (鈴木学)

 横一列、横三列、V字…目まぐるしくフォーメーションを変えながら腕をグルグル回したり、胸の前でハートマークをつくったり。ぴったりと動きがそろい、笑顔が照明に映える。

 昨年十二月のライブホール「新宿ReNY」。二十七大学から三十七チームが参加した関東予選は三日間で三千人以上が来場し、会場は異様な熱気に包まれた。「ファイアー! サイバー! ファイバー!」。応援のコールも、蛍光色のライトも、アイドルのコンサートさながらだ。

 コンテストは二〇一二年度に七チームでスタート。翌年度からは年二回の開催となり、十六日に決勝が行われる第九回大会の予選は全国五カ所で開かれ、五十一大学から六十九チームが参加。関東予選を勝ち抜いた九チームを含む十六チーム、百人以上の女子大生が決勝の舞台に挑む。

 実行委員会の斎藤祐哉さん(20)=慶応大法学部二年=らによると、ステージに立つ動機は「アイドル好きの趣味の延長」「目の前に広がる日常と違う景色を見てみたい」などさまざま。ダンス人気やアイドル人気を背景に、二〇一五年度の総来場者は約一万九千人に上り、大会規模はさらに拡大傾向にあるという。

 「普通の女子大生が、一夜限りのアイドルとしてステージに立つ」がコンセプト。プロのアイドル活動をしている女子大生とは一線を画すというが、ユニドルの延長上で、アイドルを目指す学生はいないのか。

 「少なくともうちにはいません」と言うのは、昨夏の第八回大会を制した明治大「Copia(コピア)」を率いた政経学部三年の川上早穂子さん。優勝三回を誇る同サークルは、入部の際に意思確認をするという。

 高校時代、ダンス部だった川上さん。ユニドルのステージを見て「皆さんキラキラしていて、やりたいと思ったんです」。大会前はスタジオを借りて深夜に七時間も練習した。「ゆとり世代と呼ばれてきた私たちも本気になる特別なイベントだと思います」

 会場では各チームのメンバーと写真撮影ができるコーナーもある。名古屋から関東予選を見に来たという谷町賢人さん(21)は「距離が近いのがいい。同じ大学生として負けられない気持ちにもなる」。出場者の家族や同世代の若者ばかりではなく、「元気をもらえる」と四十代、五十代の男性の姿も見られる。結果発表に涙し、その姿にまた声援が飛ぶ。とにかくアツい。

 主催者側は、日本文化としての「アイドル」を世界へ発信するため、将来、上海やパリなど海外四都市での開催も検討している。

◆覚めた、現実的思考で活動 博報堂・原田曜平さん

 ユニドルの審査員経験もある博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーの原田曜平さん(39)に、人気の理由などを聞いた。

 −出場者にとってアイドルは憧れの存在か。

 憧れはあっても、厳しい世界と分かっている。だから、プロを目指していないし、目指すつもりはない。この瞬間だけ、と覚めている。就職活動に役立てようとの思いもあるかもしれない。そこが、この世代の現実的なところだ。

 −実は競争心は強い。

 人前で踊って順位を付けられるとなれば、競争意識も出てくる。特に上位チームはストイックに打ち込んでいて、勝つことがモチベーションになっている。

 −見る側に人気がある理由は。

 会いに行けて距離感が近いこと。遠い存在だと興味が持てず、自分には関係ないと思ってしまう。SNSでつながれる、ほどよい距離感がユニドルにはある。そして、読者モデルが人気になるように、今はプロっぽい素人に人気がある。

 −今後についてはどうみているのか。

 現在は規模の大きい著名な大学が中心だが、学校のPRに小さな大学にも広がっていきそうだ。

<ユニドル> ユニバーシティー(大学)・アイドルの略。年2回の大会のほか、1年生や初出場チームの大会もあり、運営は学生が担っている。派生企画として男子大学生アイドル日本一決定戦「ユニボーイ」もある。

 決勝は、関東、関西、東海、九州、北海道の地区予選を突破したチームと敗者復活戦で勝ち上がったチームなど計16チームで競う。持ち時間8分内なら曲数は自由で、日本のアイドル曲ならOK。事前調整で同じ曲が使われることはなく、1日で多くのアイドル曲が楽しめるのも人気の理由という。ダンスの完成度や表現力、照明や映像も含めた演出などを評価する審査員の得点と、観客投票で順位を決める。

◆16日に決勝

 第9回大会決勝は16日、東京・新木場スタジオコースト(江東区新木場2の2の10)で開催。午後1時30分から敗者復活戦がスタートし、決勝は同4時50分から。入場料は4000円(当日券)。

 

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