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【放送芸能】

<劇場で楽しむ>夢と現実 幸福な出会い アカデミー賞本命「LALALAND」

 「愛を込めて作った」。日本時間の27日に授賞式が行われる米アカデミー賞の13部門で14ノミネートを果たし、最大の注目を集めるミュージカル映画「LA LA LAND(ラ・ラ・ランド)」が24日、公開される。デイミアン・チャゼル監督は夢を追うこと、人を愛することをテーマに、うっとりするような幸福感で満ちた作品に仕上げた。来日した監督と主演のライアン・ゴズリングに、作品に託した思いを聞いた。(井上昇治)

 作品は冒頭から爽快だ。イライラが募る大渋滞のロサンゼルスの高速道路。車から飛び出した大勢の人たちがアップテンポの曲に乗って軽やかに踊る。

 夢の国を意味する「ラ・ラ・ランド」。1950、60年代のミュージカル映画黄金期の手法と現代的な感性が混ざり合い、夢と愛を描く王道の物語に独創性を加味したのが本作だ。「ミュージカルには楽しさと高揚感があるけど、現実的なストーリーも必要だと思った」とチャゼル監督。

 ジャズドラマーの狂気的な師弟関係を描いた「セッション」(2014年)で評価を高めたチャゼル監督は、それ以前から「ラ・ラ・ランド」の構想をふくらませていた。ハーバード大在学中の09年、原型となる作品を製作。だが、ミュージカル映画は70年代以降、衰退の一途で、ブロードウェー舞台の映画化を除けば製作は困難な環境だった。無名監督のオリジナルミュージカル映画の企画には高い壁が立ちはだかり「資金集めに6年もかかった」(チャゼル監督)。

 脚本、歌、音楽、ダンスの全てがオリジナル。特筆すべきは、ジーン・ケリー主演の「巴里のアメリカ人」(1951年)などの米ミュージカルや、ジャック・ドゥミ監督「シェルブールの雨傘」(64年)などフランスのミュージカル映画の伝統的な手法を取り入れたことだ。

 以前は嫌いだったミュージカルに突然魅了されたというチャゼル監督は「かつて大衆映画として、ハリウッドの本流にあったミュージカル映画が実は前衛的なアイデアに満ちていると気付いた」と説明。「現実と夢の部分を行ったり来たりし、カメラの動きも表現主義的。リスクを冒した挑戦に観客がついてきた。大衆芸術としての映画の理想が実現されていた」と語る。

 魔法のような幻想シーンや、舞台セットのような演出を使い、大胆な明度の対比や、豊かな色彩で夢のような美しいシーンを連ねる一方、普通の若者たちの夢とロマンスという現代性も忘れない。「ノスタルジックにせず、いかに今の人たちが共感できるものにするかを徹底的に話し合った」とゴズリングも言う。

 音楽も素晴らしい。バンドリーダー役で出演するグラミー賞歌手のジョン・レジェンドがエグゼクティブプロデューサーを務め、「セッション」のジャスティン・ハーウィッツが作曲を手掛ける。ジャズピアノを習得し、全編吹き替えなしで弾いたゴズリングの哀愁を帯びた演奏、ブロードウェー・ミュージカル「キャバレー」で絶賛されたエマ・ストーンの伸びやかな歌声にも魅了される。

<あらすじ> ハリウッドのカフェで働くミア(エマ・ストーン)は、場末のバーでピアノを弾くセブ(ゴズリング)と出会う。女優を目指しながらオーディションに落ち続けるミアと、自分の店を持って本格的なジャズを演奏したいが夢から程遠いセブ。2人は恋に落ち、互いの夢を応援し合う。

 

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