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【放送芸能】

「美女と野獣」実写化 より深く多様な美を描く物語に

 アニメ映画で初めてアカデミー作品賞にノミネートされ、ディズニー映画史に金字塔を打ちたてた名作「美女と野獣」(1991年製作)が初めて実写化され、21日に公開される。メガホンを取ったのは映画「ドリームガールズ」などミュージカル作品に定評のあるビル・コンドン監督(61)。最新技術で可能になった美しい映像と名曲の数々が夢のようなおとぎの国へ誘う。 (浜口武司)

 アニメ作品の完成度の高さと革新性ゆえに、当初は監督を引き受けるのを躊躇(ちゅうちょ)したという。「実写化に際して、思うことはあった。ただ大切なのはどうアプローチするか、どう新しいことを見せるかだと考えた。ファンの期待はあるだろうが、何かひねりを加えて届けようと思った」

 監督は登場するキャラクターたちに、より深みを与えようと考えたという。傲慢(ごうまん)さのため魔女ののろいで野獣に姿を変えられた王子と一緒に、家財道具に変えられてしまった召し使いたち。監督は王子の巻き添えに遭った被害者でなく、王子がそのように成長していくのを黙ってみていたことに自責の念を感じているという設定にした。

 「アニメや(それを基にした)ブロードウェーの舞台は家族向けになっているが、本作では心理学的なアプローチも採り入れ、もうちょっと大人向けにした」と監督は明かす。

 召し使いが変身したティーポットや燭台(しょくだい)はぎこちなくも人間のように振る舞い、野獣となった王子の表情は感情に合わせて生々しく変化する。「アニメで制約となるのはアニメーターの想像力だけ。逆に言えば、想像できれば何でもできるわけです。実写作品でもCGなど映像技術の進化でまるで本物のように描くことができるようになった。ただアニメの新バージョンだと思われたくはない。人間性を持たせることが大切だった」と話す。

 原作が生まれたのは18世紀のフランス。しかし、本作では城での舞踏会や村人の中に、黒人や性的少数者が登場する。「現代に合わせ、より現実っぽくしたかった。王子の花嫁を選ぶ舞踏会にさまざまな国から多様な人が集まったという設定です」と説明する。

 だが、同性愛者の登場に一部の国が反発、年齢制限や上映禁止となる騒ぎにもなった。「文化によっては抵抗があるかもしれないが、さまざまな人がいるのは自然。この作品は見た目で判断するのではなく、内面が大切だと訴えている。さまざまな人をキャスティングしたのは、それぞれ個性があるんだと描きたかった。多様性は物語のテーマにも沿っていると思う」

◆こんな娘が欲しかった ベル役 エマ・ワトソン

 清楚(せいそ)な美しさのエマ・ワトソンは、世の父親たちが「こんな娘が欲しかった」と言いそうな、爽やかでしっかりしたお嬢さんだ。

 世界的な大ヒット作「ハリー・ポッター」シリーズのヒロイン、ハーマイオニー役から見事に成長、新作「美女と野獣」では、娘盛りの華やかさを画面いっぱいに焼き付け、伸びやかな歌声を披露する。

 「(演じた)ベル役が気に入ったのは、誰かに幸せにしてもらうのを待っているだけではないから」と語るエマは、一九九〇年四月十五日、パリ生まれの英国人。十一歳(公開時)からハーマイオニーを演じてきたが、今や二十七歳。今後も華やかな活躍が期待されている。

 

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