東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 放送芸能 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【放送芸能】

モンゴメリの「赤毛のアン」映画化 孫が企画 祖母の名作

 カナダ人作家L・M・モンゴメリ原作の映画「赤毛のアン」が6日、全国公開される。これまで何度も映画やテレビ、舞台で取り上げられ、現代に読み継がれてきた古典の名作だ。今回の映画化にあたり製作総指揮を務めたのは、原作者の孫のケイト・マクドナルド・バトラーさん(60)。モンゴメリ作品の保全や著作権管理をする「赤毛のアン・ライセンス局」の理事会メンバーでもある。祖母の遺(のこ)した「アンの物語」への思いとは。 (聞き手・深井道雄)

 「赤毛のアン」は1908年の出版から今日まで、時代を超え、国を超えて愛されてきた古典です。身近で起きるさまざまな出来事により成長する少女に、読む人は普遍性を感じるからでしょう。映画にすることで、かなり省略しなくてはなりませんでしたが、なるべく原作を忠実に再現しました。

  企画を映画会社に持ち込み、脚本作りに参加、撮影現場にも再三立ち会い、原作のイメージをジョン・ケント・ハリソン監督に伝えてきたという。

 私が初めて「アン」に接したのは6歳ごろです。父が何度も読み聞かせてくれ、10歳ぐらいに自分で読みました。子ども向けに書かれた話ではないので、初めは大変苦労しました。

  生まれたときは既に亡くなっていた祖母モンゴメリについて、父(モンゴメリの次男)から再三、聞かされてきたという。

 「アン」の舞台であるプリンス・エドワード島で生まれたモンゴメリは幼少時に母親を亡くし、父親も島を去ったため祖父母に育てられます。祖父が亡くなった後は、高齢の祖母の世話や家事、後に夫になる牧師のこまごました仕事を手伝いながら小説を書いていたそうです。執筆には恵まれた環境ではない中、これと思ったことを貫き、父によると、聡明(そうめい)でアンビシャス(未来志向)な人だったようです。アンには、そんな祖母が投影されているように思います。

  本作でアン役を務めたエラ・バレンタインは舞台「レ・ミゼラブル」のトロント公演でコゼットを演じ、映画にも多数出演する実力派だ。

 私はキャスティング(配役)に関わりませんでしたが、彼女は豊富な経験があり、アンのイメージに合っていると思います。原作に忠実に作った映画。19世紀後半に生きた少女アンが21世紀の今を生きる人にどう映るかを見たいと思いました。それが映画にした理由ですし、楽しんでいただければと思います。

◆あらすじ

 カナダ東海岸のプリンス・エドワード島で農場を営むマシュウ(マーティン・シーン)とマリラ(サラ・ボッツフォード)の老兄妹は働き手となる男の子を孤児院から引き取るつもりだったが、手違いで赤毛の少女アン(エラ・バレンタイン)がやって来る。けなげに仕事を手伝うアンだったが、次々と騒動を引き起こす。一度は孤児院に戻そうと考えた老兄妹だったが、アンの懸命な姿に心を打たれ、次第に家族同然の関係となっていく。

<「赤毛のアン」シリーズ> 1908年刊行の第1作から、モンゴメリが1942年の死の直前に書き上げた「アンの想(おも)い出(で)の日々」まで、アンの少女時代から孫を持つ老年期までが描かれた。アンを主人公もしくは準主人公とした9冊を「アン・ブックス」と呼ぶことがある。ほかに、街の人たちを主人公にした「アンの友達」「アンをめぐる人々」の2冊がある。日本では、村岡花子氏の翻訳で「赤毛のアン」が52年に出版された。村岡氏は2014年放送のNHK連続テレビ小説「花子とアン」のモデルとなった。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】

PR情報