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【放送芸能】

花咲かし 萬斎の才 満開に 主演映画「花戦さ」への思い

 萬斎さん主演の映画「花戦(いく)さ」(篠原哲雄監督)が来月三日、公開される。花の力で“天下人”秀吉に立ち向かった池坊専好の活躍を描く。萬斎さんは「童話『北風と太陽』の太陽のように、花で人の心を開かせるという気持ちで演じた」と話す。(深井道雄、加藤智子)

 専好は、いけばな発祥の地とされる京都・六角堂の花僧で、歴代の華道家元池坊の中でも名人と称された実在の人物。戦国武将前田利家の屋敷で、巨大な松を使った生け花「大砂物」を生け、秀吉に称賛されたという記録が残っており、暴君となった秀吉を専好が大砂物でいさめるという本作のモチーフとなった。

 台本のト書き(説明部分)に、専好について「天真爛漫(らんまん)な少年のような目」とあり、花が大好きで世俗に興味のない専好像を作り上げた。「天才肌の人って、マイペースで興味や関心を持つと周囲のことはお構いなしになると思うんです。なので喜ぶときはかなりオーバーアクションで演じました」と打ち明ける。

 「演じるからには台本を超えたエネルギーを発したい」と、萬斎さんはさまざまなアイデアを出したという。歌舞伎役者市川猿之助さん演じる秀吉に挑むクライマックスもその一つ。「花がほころぶように、ほほ笑みが広がる爽快感を大切にした。勝ち負けで終わりたくなかった。専好らしい終わり方になったと思う」と自賛する。

 狂言師としてはもとより、舞台、テレビ、映画に多忙な日々を過ごす。「狂言は親子、一門で演じる密な世界。舞台は一カ月くらい稽古があり、その後、公演も一カ月くらいあって密になっていく。映画は初めから大所帯で、みんなで一つ一つを作り上げていって最後に全体が見える。これが楽しみ。どれも私にとっては大切なこと」と話す。

 本作でも手応えを感じている。「役者は花にたとえられるが、いろいろな花(個性)が化学変化を起こし、ぐわわわわーと笑って泣ける映画になっている。感情を揺さぶられる役で、何度も、自然に涙が出てきたのには自分でもびっくりした」と充実の表情で語った。

 <のむら・まんさい> 1966年、東京都出身。人間国宝の祖父六世万蔵(故人)、父万作に師事し3歳の時「靱猿(うつぼざる)」で初舞台。映像作品にNHK連続テレビ小説「あぐり」(1997年)、映画「陰陽師(おんみょうじ)」シリーズ(2001、03)、「のぼうの城」(12)、「スキャナー 記憶のカケラをよむ男」(16)など。

 

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