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【放送芸能】

「バカリズムの30分ワンカット紀行」 じわり人気 異色の街歩き

 一台のカメラで撮影した映像をほぼそのまま放送する異色の街歩き番組「バカリズムの30分ワンカット紀行」(BSジャパン、月曜午後十一時半)が静かな話題を呼んでいる。長時間のロケや細かい編集作業が当たり前の通常の番組制作に一石を投じる。MC(進行役)のバカリズムも手作り感いっぱいの番組を「舞台を見ているよう」と絶賛。カネをかけずにアイデアを出す−。常識を覆す番組のロケ現場をのぞいてみた。 (砂上麻子)

 五月中旬。「おばあちゃんの原宿」として知られる巣鴨地蔵通り商店街(東京都豊島区)。「ようこそ巣鴨へ。楽しんで」。カチンコが鳴って撮影がスタート。重さが約二十キロもあり、移動しながらでも映像がぶれにくい「ステディカム」と呼ばれる大型カメラを持ったカメラマンとスタッフが商店街を進む。

 「とげぬき地蔵尊」の高岩寺、赤いパンツが並ぶ衣料品店「マルジ」などに立ち寄る。途中、商店街の公式イメージキャラクター「すがもん」が登場したり、ベリーダンサーが商店街を駆け抜けたりするなど事前の打ち合わせ通りの演出も加わる。距離にして約七百メートル、撮影にかかった時間は二十五分。小雨が降り、スタッフも商店街の人もぬれながらの撮影になった。

 山口貴由ディレクターは「商店街の人が協力してくれたのでうまくいきました」とほっとした表情を浮かべた。四月に始まった番組で、山口さんはこれまで谷中や吉祥寺の回を担当。「撮り直しができない緊張感はあるが、どういう人を登場させるかなどいろいろ工夫できる」とやりがいを語る。

 伊藤隆行プロデューサーは「百本、二百本と企画を考えたが、最終的には編集を放棄してしまいました」と笑う。編集で映像の「早回し」はするが、失敗したら最初から撮り直すのがルール。それでも今まで撮り直しはないという。

 事前準備が重要といい、ロケ地が決まったら、協力してくれる店や人を探すために七〜八回は訪れる。せりふや登場のタイミングを合わせるため、巣鴨でも約一時間半かけて入念なリハーサルを行った。

 スタジオで初めて映像を見るというバカリズムは「僕がほかの局のディレクターだったら『やられた』と思うんじゃないかな」と、アイデアをほめる。

 失敗が許されないドキドキ、ハラハラな感じが作り手の創作意欲を刺激するのか、「『ノーギャラでもいいからやらせてくれ』というフリーのディレクターもいる」(伊藤プロデューサー)という。「彼らが『こんなテレビやってみたい』という番組をつくっていきたい」と意欲を見せる。

 

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