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【放送芸能】

やめる?続ける? AKB総選挙

 AKB48グループ恒例の「総選挙」が今年も行われる。八月発売のシングル曲を歌う選抜メンバー十六人をファン投票で決める巨大イベントだが、人気メンバーの卒業や出場辞退に加え、今年で九回目とあって“マンネリ化”も指摘され、最近は「総選挙不要論」もくすぶる。そこへ来て、昨年まで二年連続一位だった指原莉乃(さしはらりの)さん(24)から飛び出したのが「そろそろ総選挙やめろ!」の爆弾発言。ファンもびっくりの発言から見えてくるのは…? (池田知之、鈴木学)

◆資金力 勝負

 東京・秋葉原のAKB劇場。八年来のファンという中央区の男性会社員(48)は「少し興味も薄れたかな」と明かす。上位常連だったNMB48山本彩(さやか)さん(23)のファンだが、今年は不出馬。「投票しても必ず上位に入るわけじゃない。だから総選挙はもういいかなと思うときもある」

 大阪市から来た男性会社員(31)も「総選挙はやめてもいいのでは」と話す。NMB48の内木志(ないきこころ)さん(20)を推すため、投票権付きCDを五十枚買ったが、出費の多さにため息が出る。AKB総選挙は一人一票ではなく、各ファンクラブへの入会や、CD購入のたび一票が手に入る。だから百票、二百票を持つことも可能だ。「お金のあるファンを多く抱えるメンバーが上位になってしまう。総選挙は必ずしもメンバーの人気を反映しておらず、投票数の上限を決めた方がいい」

 では「総選挙やめろ!」と叫んだ指原さんの発言はどうくむべきなのか。

 アイドル評論家の中森明夫さん(57)は総選挙を「本当に過酷で『公開処刑』のようなイベント」と説明する。メンバーは順位を上げるために、ステージや握手会で必死にアピールし、ファンサービスに努めるが、どうにもならないことは当然ある。だから総選挙を辞退するメンバーが出ることに中森さんは理解を示す。

 アイドルに詳しい法政大学の稲増龍夫教授(65)は、選抜メンバーをファン投票で決めるシステムを画期的と絶賛し「ファンにとって総選挙は一つの目標。メンバーにはプレッシャーだけど、インタラクティブ(双方向性)があり総選挙は続けるべきだ」と主張する。AKBの特色として、メンバーの新陳代謝や、地方を拠点とする姉妹グループによるローカル展開を挙げ「人気のピークは過ぎたかもしれないが、地道に続けることで一定の人気は保てる」と指摘する。

◆夢見て応援

 AKBファンの評論家浜野智史(さとし)さん(36)もライバルグループ「乃木坂46」などの台頭でAKB人気に衰えが見えることを認めつつも「総選挙は続けるべきだ」と話す。「AKBの中で若いチームも育っている。指原さんもわざと終わりそうな予感を漂わせているが、プロデューサーの秋元康さんはきっと今後を考えている。このままでは終わらせないはずだ」と推し量る。

 前出の中森さんも総選挙を続けるべき理由を話す。「ファンは夢を持つ女の子を見たいんです。AKBのメンバーはすごい美人じゃないかもしれないけど、大きな夢があり、ファンはそれを応援する。アイドルとはファンとの共同作業があってこそのアイドルなんです」

◆上位辞退相次ぐ…波乱の開幕

 投票速報が31日に発表され、伏兵のNGT48荻野由佳さんが1位となった。3連覇を狙う指原さん、女王返り咲きを狙うAKB48渡辺麻友さん、上位常連のSKE48松井珠理奈さん、HKT48宮脇咲良さんらを中心にトップ争いが展開されるとみられていただけに波乱の幕開けとなった。

 昨年の選抜メンバー16人のうち4人が出場辞退、2人が卒業しており、顔ぶれは大きく変わりそうだ。

 今年は瀬戸内7県を拠点に発足したばかりのSTU48を含む国内6グループと海外移籍した元メンバーの計322人が参加。17日に沖縄県豊見城(とみぐすく)市で開票イベントが行われ、シングル表題曲を歌う選抜メンバーとカップリング曲を歌う16人ずつの4グループ、計80人が発表される。

◆元AKB・岩田華怜に聞く

 昨年5月にAKBを卒業した女優岩田華怜(かれん)さん(19)に総選挙の思い出を聞いた。

 −2012〜15年、総選挙に出馬したが。

 年に一度のお祭り。ファンの団結力やありがたみが一番分かるイベントです。ただ自分は(当選ラインの80位以内に)ランクインできませんでした。でも最後の年は中間発表の速報で59位に入り、すごくうれしかった。みんながステージやステージ裏で流す涙の重みもよく分かりました。

 −ものすごいプレッシャーがあるのでは。

 総選挙が近くなるとみんな肌が荒れたり、雰囲気がピリピリしたりします。ランクインできないメンバーのもどかしさはもちろんですが、ランクインするのもプレッシャー。自分やファンのためにそれまでの順位を超えなければなりませんから。

 −総選挙に出ないメンバーも増えている。

 辞退するのは、今後のことを考えたり、やり尽くしたとか、後輩に席を譲るとか、プラスになる理由があってのことと思います。順位が下がるのが怖いから辞退するメンバーはいないと確信しています。

 −総選挙はやめた方がいいという意見もある。

 世間には「メンバーの見分けが付かない」「有名な人しか分からない」という方もいるかもしれない。でも「頑張りたい」というメンバーや応援するファンがいる限り続けてほしい。

 

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