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【放送芸能】

心に寄り添う「ショッピングモールの歌姫」 半崎美子、上京17年でメジャーデビュー

パン屋で働いたのは1年半ほど。得意なパンは?「作りましたけど商品にはならなかった。レジを打ったり、商品を並べたりしてました」と振り返る

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 19歳で大学を中退し北海道から単身上京して17年、シンガー・ソングライター半崎美子(はんざきよしこ)(36)が4月発売のミニアルバム「うた弁」でメジャーデビューを果たした。自ら全国の商業施設などに営業を掛けて、年間80カ所ものステージに立つ「ショッピングモールの歌姫」。多くの人に支えられて挫折を力に変えてきた歌姫は、さらなる飛躍を目指す。 (鈴木学)

 「うた弁」は、NHK「みんなのうた」で放送された「お弁当ばこのうた〜あなたへのお手紙〜」など、自ら作詞作曲した八曲を収録した。「お弁当ばこ−」は北海道に住む母親らを思い浮かべ、子どもの成長を見守る母の姿を歌った。サンバのリズムで明るく別れを歌う「天国3丁目」は、いつか自分が死んだときには明るく送り出してほしいとの思いを込めた。

 メジャーデビューしてから三カ月、周りの変化も実感している。「私自身は変わらないけど、露出が増えて曲が広がった。今もモールで歌わせてもらっていますが、以前は会場を自分で設営してポスターを貼って…と客席を埋めるのに奮闘していたが、今は会場に着いた時から待っていてくださる人もいますからね」

 高校の文化祭でドリームズ・カム・トゥルーの「すき」を歌って優勝。大学時代にはクラブで歌い、進むべき道を決めた。上京後は住み込みでパン屋で働くなどして、地道に音楽活動を続けた。つい最近まで事務所にも所属しなかったが、二〇一四年から三年連続で東京・赤坂BLITZで単独公演を成功させた。

 当初はクラブやライブハウスで歌い、十年ほど前に初めて神奈川県海老名市のモールのステージに立った。ライブハウスで知り合ったピアニストの紹介だった。一三年からはツアーのように全国のショッピングモールを回る。

 自らイスを並べ、呼び込みもした。買い物客に歌を聴いてもらうのは簡単ではなく、客席が犬とお年寄りだけの時もあったという。「曲順はもちろん、イスの並べ方一つにも聴いてもらうための秘密があります」

 半崎の作る歌は、自らの生活に根付き、人の心に寄り添う。次第に涙を流す人も増え「泣かせ歌」と評判を呼ぶようになった。

 デビューをちらつかせて何度かだまされたが、歌への自信は揺るがなかった。「活動を支えてくれる多くの人との出会いと喜びがあったから、歌うことはやめられなかった」。大学中退に反対し、当初は連絡も取らなかった父親も今は応援してくれているという。

 「合唱曲を作りたいし、教科書に載る歌も作りたい」と夢は膨らむ。そして、曲が自分より長生きしてくれることを今は願う。

 

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