東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 放送芸能 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【放送芸能】

手に汗握るパニック 映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」

 韓国の高速鉄道「KTX」を舞台に、ゾンビとの死闘を描くサバイバルアクション映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」が9月1日公開される。アニメーション作家として知られるヨン・サンホ監督(39)の実写映画デビュー作で、昨年の韓国映画で興行収入1位を記録。「英雄ではない普通の人たちのドラマを描きたかった」と語る。 (砂上麻子)

 「子どもの時から絵が好きで、アニメ作家が夢だった」というヨン監督。実写映画を撮るきっかけも自身が手がけたアニメ映画「ソウル・ステーション パンデミック」(日本公開九月三十日)で、配給会社から「実写にしてはどうか」との提案を受けたという。「アニメの実写では面白くない。翌日に起きた話として企画した」と明かす。

 「新感染」は、謎のウイルスに感染した人間がゾンビ化し、ソウル発釜山行きのKTX車内で次々と乗客を襲う。偶然乗り合わせたソグ(コン・ユ)は娘スアン(キム・スアン)を守るため、ゾンビと死闘を繰り返す。逃げ場のない車内の緊迫感に加え、親子の絆や乗客同士の対立など人間ドラマも描いた。「観客がいかに作品に没頭できるかが大切だと思っている。(新感染では)善人も悪人もいるが、そうした一面は自分の中にもあると感じられるよう描こうと思った」

 証券会社のファンドマネジャーで家庭を顧みないソグは、是枝裕和監督の映画「そして父になる」の主人公をイメージしたという。「成長中心の社会を象徴する職業としてファンドマネジャーに決めた。彼が災難に遭遇した時、成長ではなく次世代に何を残すことができるのかを考えた」

 韓国では「ゾンビ映画」としては異例の約一千百万人を動員する大ヒットを記録。韓国で「新感染」公開時、監督のアニメ作品の観客は最大二万人で「新感染」はその五百倍を超え、「前作との観客動員数の差が最も大きい監督」とも呼ばれた。「アニメ作家として寂しくないといえばうそになるが、私の母のように年一回しか映画を見ない人も見てくれたということで、普遍的な映画を作れたことがうれしい」と喜ぶ。

 「ソウル・ステーション−」のほか、エセ宗教を題材に社会の闇をえぐり出した「我は神なり」(二〇一三年)も十月二十一日の日本公開が決まり関心が高まっている。「千年女優」「パプリカ」などで知られ一〇年に亡くなった今敏(こんさとし)監督をはじめ、日本アニメの影響を受けたといい「『我は−』は題材は違うが、今監督の作品を意識して作った部分もあります。そんな私の作品を日本の観客がどう見てくれるのか気になる」と期待を寄せる。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報



ピックアップ
Recommended by