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【放送芸能】

勇気と希望の旋律を世界中に届けたい 「グラミー賞に最も近い日本人」松居慶子

 自身で紡いだ旋律を世界中に足を運んで届けている“異色のピアニスト”松居慶子(56)が米国デビュー三十年を迎えた。昨夏、新作アルバムが全米ビルボードチャートのコンテンポラリージャズ部門で二度目の一位に輝き「グラミー賞に最も近い日本人アーティスト」と目される実力者だ。「三十年でリセットし、新たな人生が始まるようなワクワク感がある」と目を輝かす。 (安田信博)

 七月下旬、東京・ヤマハホールで“里帰りコンサート”を開催し、アルバムに収録した二百六十を超える自作曲から十六曲を厳選してソロ演奏した。その一つ「ウオーター・リリー(すいれん)」は明るく温かみのある旋律が胸に染みる。最愛の父を失って悲しみのどん底にあった時に「天からメロディーが降ってきた」と明かす。

 松居は「一人でも多くの人に勇気と希望を与えられる音を届けることが私の使命」と語る。米ロサンゼルス近郊の自宅で深夜、ピアノの前にじっと座り「指を動かさず、メロディーが浮かんでくるのをひたすら待つ」という独特の創作スタイルで、ジャンルを問わずに幅広い曲調の作品を生み出してきた。

 二〇〇〇年から二年連続で「全米スムースジャズ賞最優秀女性アーティスト賞」に輝いた。

 〇一年にはアルバム「ディープ・ブルー」がビルボードチャートで日本人アーティストとして初めて一位を獲得。海があらゆる大陸とつながっているように、音楽で世界中の人々の心をつなげたい−こんな思いを託した表題曲を、同年ロサンゼルスで開かれた同時多発テロのチャリティーコンサートに唯一の日本人として招かれた際、演奏している。

 一一年に米国で制作された東日本大震災復興支援アルバムにも日本人として唯一参加しており、米国を代表する日本人アーティストであることを示した。

 今年もロシア、メキシコ、ポルトガルなど世界各地を巡る“音の旅”を続けている。国境や宗教の壁を越えて奏でる松居サウンド。「ライブは私の原点。聴きにきてくださる人と一期一会の温かな空間を分かち合いたい」と話している。

<まつい・けいこ> 1961年、東京生まれ。高校在学中から映画音楽の作曲など手掛け、日本女子大卒業後の87年、スムーズジャズのピアニストとして全米デビュー。同年自主制作したアルバム「水滴」が大評判を呼び、一躍名を高めた。ボブ・ジェームスとピアノ連弾の世界ツアーを行うなど大物アーティストと数多く共演。アフリカ飢餓撲滅や全米骨髄バンク、乳がん撲滅プロジェクトなどの支援活動も行っている。

 

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