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【放送芸能】

濃密な大人の心理劇 浅田次郎原作ドラマ「琥珀」主演・西田敏行

 15日にテレビ東京で放送される浅田次郎ドラマスペシャル「琥珀(こはく)」に、俳優西田敏行(69)が主演する。直木賞作家浅田の短編小説が原作で、西田が浅田ドラマに主演するのは5作目。富山県魚津市を舞台に、定年間近の刑事と逃亡中の殺人犯との心理劇を描く。西田は「大人のドラマができた」と出来栄えに自信を見せる。(砂上麻子)

 浅田作品を連続テレビ小説「ひよっこ」の岡田恵和(よしかず)が脚本化した。定年間近の刑事・米田(西田)は偶然手にした小冊子の記事に目を留める。二十五年前の未解決事件との関連を感じ、富山県魚津市にある喫茶店「琥珀」を訪ねる。そこでマスター荒井(寺尾聰)と常連客の幸子(鈴木京香)に出会う。

 西田は寺尾と同じ作品に出演したことはあるが、一緒に演技するシーンはなかった。西田は「寺尾さんが『ルビーの指環(ゆびわ)』(一九八一年)を大ヒットさせたとき、私も『もしもピアノが弾けたなら』を出した。ヒットとは言われましたが、寺尾さんがずっとうらやましいというか、嫉妬のようなものを感じていました」とライバル心を明かす。「今回は、ちょっと留飲を下げました」と笑わせる。

 定年間近で、存在感の薄い米田について「やり手の刑事ではなく、いかに普通の感じでいられるかが大切なんだけど、途中で『あっ、地でやればいいんだ』と気づきました」。

 鈴木が演じる幸子は原作にない、ドラマのオリジナルキャラクターで、人妻でありながら荒井にひかれ、他人に言えない事情を抱えている。ドラマでは喫茶店での三人の会話からそれぞれの過去や内面が浮き彫りになる。「せりふは相手に気持ちを伝える重要なツールであることを感じながら三人のシーンをこなした。こんな感覚は舞台以来で、新鮮で楽しい現場でした」と手応えを感じている。

 鈴木とは映画「釣りバカ日誌」で共演し、そのときのロケ地も富山県だった。「撮影中に蜃気楼(しんきろう)が出たんです。四十年以上住んでいても見たことがないという人もいるのに。このドラマはついていると思いましたね」

 これで五作目となる浅田作品の魅力について「希望と諦観が入り交じっている。人生が琥珀色になるころ、ワインになるのかビネガーになるのか分からないが、『おまえはワインになれよ』ということなんでしょうか」と話す。

 

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