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【放送芸能】

サダヲ ダサ男 「彼女がその名を知らない鳥たち」

 阿部サダヲ(47)が不潔でがさつな男を演じる映画「彼女がその名を知らない鳥たち」(白石和弥監督)が28日、公開される。映画には、わがままで嫌な女や薄っぺらい男など、みっともない人物ばかりが登場する。阿部はこれまで見せたことのない役柄に「やりがいがあった。徹底的に汚くしようと思った」と話すが、驚愕(きょうがく)の展開に阿部の魅力が光る。 (猪飼なつみ)

 原作は沼田まほかるの同名ミステリー小説。阿部が演じる陣治(じんじ)は建設現場で働き、十和子(蒼井優)と暮らしている。十和子は陣治の稼ぎに頼って自堕落に暮らしているが、八年前に別れた黒崎(竹野内豊)を忘れられず、不潔な陣治に嫌悪感を抱いている。

 象徴的なのは二人の食事シーン。陣治は食事中に足のごみを取ったり、食べ物をこぼしたりして、十和子に軽蔑のまなざしを向けられる。「普通は怒られることですよね。でも、けっこうやることがたくさんあって忙しかったんですよ。ここで靴下を脱いで、足のごみを取って、食べてせき込んで、差し歯を取るとか」

 陣治の見た目も清潔ではなく、油っぽい髪、汚れた爪、黄色い歯をしている。「ネイルで汚した爪だけは撮影以外でもそのままでいました。撮影の後に買い物へ行くときとか、ちょっとね。恥ずかしかったです」と笑う。

 陣治は十和子を異様なまでに愛し、寝るまでマッサージを施すが、胸を触ろうとすると蹴り飛ばされ、罵倒される。「それも許せるような役作りを蒼井さんがしてくれました。守ってあげたいと思うような表情を見せるんですよね。格好いい女優さんだと思います」と振り返る。

 陣治は関西弁を話すため初めて本格的に関西弁の指導を受けた。「関西の劇団の方がせりふを全部録音してくれて、毎日撮影後にホテルで聞いていました。英語の勉強みたいに」。それでも感情が入る演技ではイントネーションが変わってしまい、指導が入って難しかったという。

 十和子をもてあそぶ男に竹野内豊と松坂桃李。さわやかな二枚目ぶりとは真逆の彼らの腹黒さは、ストーカーまがいの怪しさで十和子を献身的に愛する陣治と対照的だ。

 “共感度0%、不快度100%”とうたう作品だが、阿部は「これまで見たことがないようなラブストーリー」という。衝撃のラストに「陣治は救われたんじゃないかな。お客さんはどう感じるんだろう。見終わった後、たくさん話し合える映画だと思います」とPRした。

 

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