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【放送芸能】

心癒やす 出会い 映画「星めぐりの町」27日公開

 芸能生活57年目のベテラン小林稔侍(76)が映画初主演を果たした「星めぐりの町」が27日に公開される。愛知県豊田市を舞台に、豆腐職人と少年の交流を描くハートフルドラマ。小林は「主演は予想もしていなかったが、まるで僕自身を流し込んだような役をいただいて、スーッとできた。この映画を見ると、人生は出会いだと思う」としみじみと話す。 (金森篤史)

 小林演じる勇作は一人娘の志保(壇蜜)と山あいの小さな町で暮らす実直な豆腐店主。テレビドラマで一度共演しているという壇蜜について、小林は「聡明(そうめい)で、共演して疲れない女優さん」と評す。壇蜜は「お芝居でも、お話ししていても、稔侍さんの頼もしさに甘えていた気がする」と撮影を振り返った。

 勇作の亡き妻の遠縁で、東日本大震災で家族全員を失った少年が家にやって来る。心に傷を負った少年はなかなか心を開かないが、勇作の豆腐作りにかける姿を見て徐々に打ち解けていく。しかし、豊田が地震に見舞われたとき、少年は恐怖のあまり姿を消す。

 壇蜜は「決して派手ではない作品。絆を失った人が前を向くのに必要なのはやっぱり人なんだ、そう思えるところに派手じゃない意味がある」と語る。

 ロケ地の豊田市について、小林は「世界のトヨタなので車がガンガン行き交っていると思って来たが、実際は静の町。自然美の豊かさに驚いた」と話した。

 メガホンをとったのは黒土三男監督。震災で千葉県の自宅が半壊し、兄姉が暮らす豊田市に移住した。「この町で映画を撮ろう」と、自ら脚本を書いた。

◆敬愛する健さんの服で

 「監督の演出通り素直に過ごせました」と小林は振り返る。「衣装は靴下1枚まで全部私物なんですよ。監督が僕のままを役にしてくれたから」。私服の中から監督に選ばれたのは、小林が敬愛してやまない高倉健にもらったジャンパーや鳥打ち帽だ。

 「健さんといると一番楽しいんですよ。子犬がはしゃぎ過ぎると飼い主からたしなめられるでしょ。あの関係でね」。かつて念願かなって本格共演した映画「鉄道員(ぽっぽや)」(1999年)には役を超えた小林の高揚があった。長男には健と名付けた。愛車は約25年前に健さんからもらったパジェロだ。

 「健さんがもし生きていて(今作を)僕に内緒で見たら…、きっと『おい稔侍、うまいもん食おうか。あれ食べたいって言ってたよな、あれ行こうか』って言うか、夜遅く留守電にちょこっと『良かったぞ』と入れてくれるんじゃないかな」

 

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