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【放送芸能】

触れられぬ純愛 心つながる2人 映画「今夜、ロマンス劇場で」 坂口健太郎

 映画館でしか楽しむことのできないオリジナル物語を−。アニメや小説の実写化が多い日本映画の現状に疑問を感じたプロデューサーの思いが結実したラブコメディー「今夜、ロマンス劇場で」が10日、公開される。ヒロインを演じる綾瀬はるか(32)とがっぷり組んだのは恋愛映画に引っ張りだこの坂口健太郎(26)。「壁ドン」「あごクイ」といった恋愛ものに定番のしぐさも封印し、心温まる純愛を演じた。 (浜口武司)

 物語の時代設定は1960年。カラーテレビの本放送が始まり、映画館の入場者数が激減した年だ。坂口は、まだ活気の残る撮影所で下働きに汗を流す助監督を演じた。

 「漫画が原作でもいい部分はもちろんありますが、オリジナルだとすごく自由にキャラクターを演じられる。自分の解釈したものを出せるというのが面白い」と撮影を振り返る。

 坂口演じる健司は、古いモノクロ映画に出てきた美雪(綾瀬)に一目ぼれするが、奇跡が起き、美雪が実体として目の前に現れる。しかし、ドレス姿の美雪は白黒のままで、他人に触れると消えてしまうという秘密を抱えている。

 「最初はSF要素が強い作品かと思ったけど、あらためて台本を読むと、そこよりもすごく純粋なラブストーリーの部分が大切なんだと分かった。2人の関係性にどこまでリアリティーを持たせられるかが重要だった」と解説する。

 これまでたくさんの恋愛ドラマに出演してきた坂口だが、ヒロインに触れられないラブストーリーはもちろん初めて。「お客さんは肉体の触れ合いをドキッとして見てくれるけど、この作品にはそれがない。健司と美雪は別のところで心を通わせなければいけなかったんです」と話す。

 心掛けたのは誠実さ。クライマックスに観客が没入するためにも、そこまでのシーンでいかに健司の誠実さを坂口が表現できるかが鍵だったという。「いざ誠実さを出そうと思っても、意外に難しい。表情だったり、声のかけ方だったり、目線だったり」と笑う。

 そのクライマックスに、坂口は出てこない。だけど、その最後を「すごく泣けてきちゃうんです」と絶賛する。坂口が前半から積み重ねた健司の誠実さが画面からあふれ出る。「ああ良かったなぁ、頑張ったんだな、この2人って思えるんです」

 ファッション誌のモデルでデビューし、今年で9年目。映画が好きで芝居を始めたが、2016年秋に東京芸術劇場で上演されたチェーホフ劇「かもめ」への出演で自らが求める役者像がクリアになったという。「今は全部、引っくるめてお芝居が楽しい」と顔をくしゃくしゃにして笑った。

 

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