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【放送芸能】

家族愛 文化超えて リー・アンクリッチ監督映画「リメンバー・ミー」

 ディズニー/ピクサーの最新アニメ作品「リメンバー・ミー」が十六日、公開される。大ヒット作「トイ・ストーリー3」のリー・アンクリッチ監督(50)が、メキシコの祭礼行事「死者の日」を題材に、カラフルな死者の国に迷い込んだ少年の大冒険を描き、米アカデミー賞長編アニメ映画賞などを受賞した。監督は「家族がテーマの物語で、文化を超えて皆さんに届くと思う」と自信を見せる。 (猪飼なつみ)

 「死者の日」は毎年十月三十一日から十一月二日までの三日間、故人の魂を迎えるため、街中が色とりどりの紙や花で飾られる。家庭では「オフレンダ」と呼ばれる祭壇が設けられ、故人の写真や生前の好物が供えられる。米国人のアンクリッチ監督は三年間、メキシコを行き来して「死者の日」や文化を研究。「まずはどのように死者の日を祝うのか見せてもらった。何世代も一緒に暮らす家族の会話や、日常の様子も」。メキシコ中を旅して、建築物など何千枚も写真に撮り、映画の参考にした。

 監督が描く死者の国には、メキシコの歴史が刻まれた塔が並ぶ。古代マヤ文明やアステカの神殿ピラミッドが塔の一番下にあり、スペイン植民地時代の大聖堂やビクトリア朝の建物に続き、だんだん現代的な建物になる。「死者の国は怖い場所と思いがちだけれど、その真逆を描きたかった。明るい色づかいで常にお祭りのような国」

 そして大勢の骸骨が暮らす。「これまでアニメで描かれた骸骨はすべてチェックし、それらとは異なるユニークな表現をした」。そのアイデアの一つが、生者の記憶の程度によって、骸骨の“健康度”を変えること。「例えば有名人のデラクルスは骨も白くて歩き方も自信たっぷり。忘れられそうなヘクターは黄色っぽくて、骨をつなぎ留める魔力も弱く、すぐばらばらになってしまう」

 「細部まですべて理由がある」という。主人公の少年ミゲルが赤いパーカを着ているのは、カラフルな死者の国でも観客がすぐに認識できるようにするため。パーカの腕に白いストライプがあるのは「骨っぽくするため」と明かす。

 製作中、自身も家族とのつながりを感じていた。「父の体が弱っていて、完成を見せられるか不安だった」。しかし、何年もかけて作った本作を見せることができた。「すごく喜んで、僕を誇らしく思ってくれた。その数日後に亡くなった」。本作を手掛けたことで、劇中に登場するオフレンダを自宅にも作った。「父が会いに来てくれるといいな」と笑顔を見せる。

 「誰もが愛する家族を祝福する方法を見つけてほしい。僕はオフレンダをこれから家の伝統にしようと思います」と話した。

◆あらすじ

 ミゲルはミュージシャンを夢見ていたが、家では音楽を聴くことさえ禁じられていた。死者の日、街が生んだ伝説的ミュージシャン、デラクルスが先祖に違いないと思ったミゲルが、デラクルスの霊廟(れいびょう)に飾られていたギターを奏でると、次の瞬間、死者の国に迷い込んでしまう。日の出までに元の世界に戻らないと、ミゲルの体は消えて永遠に家族と会えなくなる。骸骨のヘクターが手助けするが、彼もまた家族に会いたいと願っていた。

 

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