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【放送芸能】

童謡100年「今こそ必要」 由紀さおり、安田祥子 姉妹で記念CD

 多くのオリジナル童謡を掲載した児童文芸誌「赤い鳥」が今年、創刊百年を迎えた。記念CDの発売やコンサートが相次ぐ中、ライフワークとして童謡を歌い続けてきた由紀さおり(69)と安田祥子(さちこ)(76)の姉妹も、四季それぞれの歌を収めたCD四枚を順次発売している。「童謡には四季折々の情景の美しさや、家族の情愛が描かれている。今こそ若い世代や子どもたちに親しんでもらいたい」と意義を語る。 (藤浪繁雄)

 姉の安田と妹の由紀は少女期、児童合唱団で童謡を歌い、その後、姉は声楽、妹は歌謡界で活躍。一九八六年からは姉妹で童謡を中心に歌い、これまで四百曲以上をレコーディングし、二千五百回以上の公演を行っている。「童謡百年」の今年は三月にCD「春のうた」、六月に「夏のうた」を発売。今後「秋」「冬」のアルバムも出す。

 美しいハーモニーに加え、歌詞が聴き手にきちんと伝わるように歌う二人は最近、若い世代の日本語の語彙(ごい)やコミュニケーション力の乏しさに不安を募らせている。由紀は「何でも『ヤバイ』で済ませてしまう会話はいかがなものか」と語り、安田も「語彙が単純化したせいか、対話で人の気持ちを慮(おもんぱか)ることが少なくなったように思う」と憂う。

 音楽面でも「音楽は(映像で)見る時代になり、歌詞から情景を想像することができなくなってきた」と声をそろえる。日本語の美しさを認識するためにも「先人が作った童謡の歌詞で感じてほしい」と願う。

 「子どもたちに口ずさんでほしい」と強く思う。コンサート会場では三世代、四世代で楽しむ姿も多く見られるという。安田は「世の中に必要とされていると感じ、うれしい」と話し、由紀も「やれるところまでやっていきたい」と笑顔を見せる。

 四季折々の童謡CDだけでなく「百年後の子どもたちに残したい」との思いを込め「翼をください」「上を向いて歩こう」「ハナミズキ」など名曲十三曲を収めたアルバム「ギフト」も出した。

鈴木三重吉が手がけた「赤い鳥」の原本。右下が創刊号

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◆鈴木三重吉が提唱、「赤い鳥」に掲載

 1918年7月1日に創刊された月刊誌「赤い鳥」で、主宰者の小説家で児童文学者の鈴木三重吉(みえきち)が、それ以前の難解な歌詞の唱歌などに代わる「新しい子どもの歌」として創作童謡を提唱した。

 誌上で発表された童謡「第1号」は同年11月号に掲載された西条八十(さいじょうやそ)作詞の「かなりや」。翌年5月号には成田為三(ためぞう)が作曲した作品が楽譜付きで紹介された。北原白秋も「この道」などの名曲を発表した。「童謡運動」「赤い鳥運動」と呼ばれ、ブームとなった。鈴木が死去する36年まで刊行された。詩人や作曲家らでつくる日本童謡協会は84年、7月1日を「童謡の日」と定めた。

 

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