望 〜都の空から
東京の魅力や四季の彩り、さらに課題も空撮で紹介します
【伝統芸能】<歌舞伎>抜きんでた美女ぶり 日本俳優協会賞を受賞 中村芝のぶ2009年11月7日 色白で小柄、パッチリした奧二重、けいこを終えて風呂からあがったばかりという髪形、弓なりの優美な眉(まゆ)と紅色の唇。女形に生まれついたような中村芝のぶ=写真。いまの歌舞伎の舞台をもっぱら脇で支える九十人近い国立劇場歌舞伎俳優研修修了生の一人だが、初舞台の後、中村芝翫に入門して二十一年、「着実に実力をつけてきた」と評価され、第十五回日本俳優協会賞を受賞した。 (富沢慶秀) 今月は、歌舞伎座さよなら公演の吉例顔見世大歌舞伎(二十五日まで)の通し「仮名手本忠臣蔵」四段目「扇ケ谷塩冶判官切腹の場」で顔世御前(中村魁春)の腰元紅葉で出演中。 先月は名古屋・御園座でも中村福助の顔世御前で、同じ役を演じた。「可憐(かれん)で美しい容姿」を持ち味にした若女形役が多く、いろんな役をこなしている。今度も八人の腰元が並ぶが「抜きんでた美女ぶり」とファン。 日本俳優協会賞は、昨年三月の歌舞伎座「江戸育お祭佐七」で幕開きのお軽の踊りと、ベルリン、ルーマニア公演とその凱旋(がいせん)公演となった六月のコクーン歌舞伎「夏祭浪花鑑(なにわかがみ)」磯之丞での「充実した演技」を認められた。磯之丞は男性役だが、白塗りの若侍で女形もこなす役。 「いい仕事を選んだと、しみじみ思えるようになった」 十歳は確実に若く見えるのだが、明日八日が四十二歳の誕生日。充実した気持ちで舞台に集中できるキャリアも積んでいる。 実家は祖父の代で始め、父が継いだ印刷業。兵庫県立明石高校美術科一期生で彫塑を専攻したが「あまり勉強は好きでなかった」。 中学三年生のとき、両親に連れられて、京都南座の顔見世で、初めての歌舞伎「鳴神(なるかみ)」を見た。 「これは一体何なのだろうと大変な衝撃を受けた」。鳴神上人を誘惑し、果ては堕落させてしまう雲の絶間姫。「動き、声の出し方、色気、不思議な魅力にとりつかれた」のがきっかけ。国立劇場歌舞伎俳優研修のことを知って、あとは真一文字。 「芸事とはまったく関係ない家で、基礎ができていない。何もかも夢中、できなくて悔しいからがんばった。踊り、邦楽など、死ぬまでやるつもり」 声、口調まで女性っぽく、当然のように選んだ女形。知り合いの紹介で中村芝翫師宅を訪ね、「この方なら絶対」と入門、成駒屋になった。本名・久保清二。「芝がついた芸名を考えておいで」といわれ「苦し紛れに十ほど考えた」。芝三郎とか芝之丞とかいうのもあったが、師匠は、本人も一番気に入っていた「芝のぶ」を選び出してくれた。二〇〇〇(平成十二)年に名題昇進。 いずれ「神霊矢口渡」のお舟や「摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ)」の玉手御前をやってみたいという。「なぜか、最後に殺される役が好き」
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