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【伝統芸能】

長唄 再び咲かせたい 人間国宝・東音宮田哲男が「鑑賞会」

 人間国宝で長唄唄方の東音宮田哲男(83)が五月十三日午後二時から、東京・紀尾井ホールで「長唄鑑賞会」を開く。昨年まで十二回にわたり自主公演を続けてきた重鎮が今回、新たな会を立ち上げ「長唄が再び盛り上がるようになるために、できることはないかと企画した」と語る。正調(伝統的な技法)を継承するため、自身の技術を余すところなく披露する。 (真壁聖一)

 宮田は東京芸術大を卒業後、長唄東音会に創立同人として参加。際立った美声で広く支持を集め、八八年に文化庁芸術祭賞を受賞するなど芸ひとすじに生きてきた。九八年には人間国宝に認定され、二〇一五年には芸術院会員にも選ばれた。

 今回の鑑賞会について「長唄界は技術面での若手の低迷や人気衰退などで、大変な時代に入っている」と宮田。未来に危機感を持ち「自分の心技体が続く今、純粋に長唄を聴いてもらい、その魅力に浸ってもらいたい」と動機を語る。

 長唄は歌舞伎など地方(じかた)(舞踊の音楽担当)の仕事に恵まれていると思われがちだが「役者(踊り手)の所作に合わせているうちに調子が崩れ、なかなか正調を聴かせることができなくなってきた」と指摘。加えて「若手が育たず、危機的な状況でもある」と厳しい環境を明かす。

 これまで自主公演では弟子らをメインに据えた作品も並べてきたが、今回は宮田の独演部分を要に据えた。演目は「酒」「靱猿(うつぼざる)」など三本で、いずれも趣の異なる作品で、受け継いできた長唄の神髄を披露する。「特に若い人に聴いてもらいたい作品を選んだ。飽きないように順番も工夫した」と力を込める。

 東音宮田哲男=(電)03・3269・6060。

 

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