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【伝統芸能】

<新かぶき彩時記>怪談牡丹燈籠 多種多彩な破滅の結末

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 同じ芝居でも演者や脚本で結末が変わるものがあります。それが「怪談牡丹燈籠(かいだんぼたんどうろう)」。歴史の浅い作品は比較的演出も自由です。

 若侍に恋した娘が幽霊となり、夜な夜な家を訪れて若侍をとり殺します。本作の主人公は、それを助けた若侍の下男・伴蔵と女房・お峰。長屋暮らしだった二人は幽霊と交渉し、手助けの報酬として幽霊にもらった百両を元手に商売に成功。羽振りが良くなり放漫になった伴蔵は、お峰の口から旧悪がばれるのを恐れ、お峰を殺し自分も破滅しますが、結末には以下の四つがあります。

 1 余韻たっぷり型 大雨の土手で伴蔵に殺されたお峰が、川の中から伴蔵を引きずりこむ。雨がやんだ土手をホタルが静かに飛び交う

 2 魔がさした型 狂ったようにお峰を殺した伴蔵がわれに返り、死んだお峰を抱いて名を呼び続ける

 3 小心な凡人型 店の中で夫婦げんかをした伴蔵が、お峰を幽霊と錯覚して殺す。錯乱した伴蔵は、一人いずこへかと去って行く

 以上は大西信行の文学座脚本。

 4 とことん悪人型 三代目河竹新七の脚本では、伴蔵はお峰を殺した後も「女房は追いはぎに殺された」とふてぶてしくうそをつくが、結局お縄に。いずれも演者の個性が生かされています。 (イラストレーター・辻和子)

 

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