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【伝統芸能】

<新かぶき彩時記>「魚屋宗五郎」のはやし 心境に合わせて変化

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 「だらだら祭り」と呼ばれる芝大神宮(東京都港区)の大祭。毎年九月十一日から二十一日まで長期間続くのが名の由来です。

 この祭りを背景としたのが「魚屋宗五郎」。酒乱の魚屋・宗五郎の酔態が見どころです。旗本に見そめられ屋敷に奉公した妹・お蔦(つた)が、こちらもやはり酒乱の旗本に早まって不義の罪で成敗されたのが芝居の発端。お蔦の死を悲しむ宗五郎一家のもとに聞こえてくる祭りばやし。奉公人の三吉は「人の気も知らねえで、いけ騒々しいはやしだな」と嘆きます。

 一家の沈んだ様子とにぎやかなはやしの対比が印象的で、その音楽的効果にも注目。禁酒中の宗五郎が悲しみのあまり酒を飲み、酔って旗本の屋敷に暴れこむのですが、しらふだった最初は「妹が見そめられた当時、困窮していたのを殿様からの支度金で救われた。金につられて奉公させた自分に責任がある」と冷静です。本来の実直な性格がよくわかりますが、弔問に訪れたお蔦の同僚に事件の真相を聞かされ、抑えていた気持ちが酒の力で噴出します。

 はやしも宗五郎の心境に合わせて変化するのがミソで、周囲の制止も聞かずに、たて続けに飲むにつれテンポアップ。大暴れして家を飛び出す時には最高潮になります。 (イラストレーター・辻和子)

 

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