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【伝統芸能】

宙乗り王に猿之助はなる スーパー歌舞伎II「ワンピース」再演

 大ヒット漫画「ONE PIECE」の壮大な世界観を舞台化し、大反響を呼んだスーパー歌舞伎II(セカンド)「ワンピース」が今秋、2年ぶりに東京・新橋演舞場に戻ってくる。一昨年の初演後、新演出を加えて大阪、福岡でも上演されて延べ20万人を動員。原作は7月に週刊少年ジャンプ連載20周年を迎え、なおも連載中。演出も担当する座頭(ざがしら)の市川猿之助は「新しい作品をつくるつもりで臨む」と、さらなる進化を期す。 (安田信博)

 海賊王を目指す少年ルフィとその仲間「麦わらの一味」が「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を手に入れるために旅する海洋アドベンチャー。舞台では本物の水や火を使っての立ち回りや、主人公ルフィ役の猿之助がサーフボードに乗って客席上空を飛ぶ“斜め宙乗り”などが披露され、観客の目を楽しませた。

 原作者の尾田栄一郎から「何をやってもルフィにしか見えない」と太鼓判を押されたという猿之助。今回の再演については「歌舞伎の名作といわれるものも初演からその形があったわけではない。何回も繰り返し上演され、俳優の工夫なども得て究極の形ができあがる」と意義を強調。「興味本位で終わらず、後世に残るものをつくりたい」と意欲を見せる。

 具体的な演出プランに関しては、音楽を担当する北川悠仁(ゆうじん)のフォークデュオ「ゆず」が五月に開いた二十周年記念ライブを見て刺激を受けたことを明かす。「最新技術や映像を活用して初演よりもコンパクトな舞台を目指す」と語る。

 脚本と演出の横内謙介は一昨年の東京公演では名前を付けずに「手下1、2」などとした配役を、大阪、福岡の舞台では原作にある役名に変更したという。「どんな小さな役にもファンがいる」という現実を知ったのが大きな理由。固有名詞が付いた途端に「役の心をしっかりつかんで命を吹き込み、一つ上のステージにいってくれた」と横内は満足そうに話す。

 今回の東京公演では、四十四回の昼公演のうち十三公演で「麦わらの挑戦」と銘打った“特別版”で、若手を抜てきする。“通常公演”では脇役の尾上右近がルフィと海賊女帝ハンコックの二役に挑戦。ルフィの命の恩人シャンクス役に回る猿之助は「歌舞伎は若手役者を育てて(後世に)伝えることが大事。若い彼らが何かをつかんでくれれば」と期待を寄せた。

 公演は十月六日〜十一月二十五日。問い合わせは、チケットホン松竹=(電)03・6745・0888。

<スーパー歌舞伎> 三代目市川猿之助(現二代目猿翁)が1986年に始めた新作歌舞伎。大掛かりな舞台装置を使い、斬新な舞台美術、衣装などの演出を施して現代演劇の要素も取り入れた。「ヤマトタケル」「新・三国志」などを上演しヒットした。2014年からは四代目猿之助を中心に「スーパー歌舞伎II(セカンド)」として展開している。

 

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