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【伝統芸能】

<評>次代につなぐ挑戦 第47回「城西舞踊会」

 日本舞踊協会東京支部城西ブロック主催、第四十七回「城西舞踊会」(九月三日、東京・国立大劇場)は、昼夜二部制で全十七作品を上演した。この会は以前から古典作品とともにエンターテインメント性の強い新作が何度も上演されてきた。そうした経緯もあり、今回も流派や世代を超え、ブロック所属の舞踊家が一丸となって、新作へ取り組む姿勢が随所に見受けられた。

 日本舞踊には伝統を継承し次代へつなげていく責務もある。それは今回も全十六番の古典作品各演目で十分に発揮されていた。その一方で、わが国の舞踊文化を代表しつつ娯楽性を担保し、時代に沿った新作への挑戦は、舞踊芸術としての日本舞踊を次代へつなげるための一つのキーワードともいえる。

 こうしたことを踏まえ、昼夜とも最後に上演された新作「今様古事記」(作、監修・花柳昌太朗、演出、脚本・西川扇与一、音楽構成・藤間達也、振り付け・花柳せいら、西川大樹、花ノ本海、演出補・松風光陽)は、「いま」を主題に据えて表現した。総勢二十八人が出演し、幕開きでは神楽を連想させる趣向で、イザナギ(西川箕乃助(みのすけ))とイザナミ(西川喜晶(きしょう))の二柱の神が花道に登場。シルエットを用いた視覚効果やニュース音声なども用い、昨今の世相を重ねつつ、現代性や娯楽性を意識した演出が斬新さを表出した。

 今回の新作上演においては、日本舞踊に対する舞踊家の熱意が流派や世代を超え、一つの形となっていたことも強く印象に残った。(小林直弥=日大芸術学部教授)

 

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