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【伝統芸能】

萬斎「狂言の幅を示す作品に」 池沢夏樹の新作「鮎」を演出

 作家池沢夏樹が台本を書き、狂言方和泉流の野村萬斎が演出と主演を務める新作狂言「鮎(あゆ)」が十二月、東京・国立能楽堂で上演される。同能楽堂であった制作発表会見で、池沢は自身の短編小説「鮎」を下敷きに執筆した狂言について「敷居が低いので、これを機に若い方たちにも見に来てほしい」と呼び掛けた。

 池沢は二十代のころ、萬斎の祖父の六世野村万蔵の“追っかけ”だったことを明かし、狂言の魅力を「考えるのではなく感じるままで笑える。人生を肯定的に描いている」と語る。今回、南米の民話から着想を得た短編を基にした狂言台本は、鮎と人間、都市と山村などの対比を通じて、文明観を問うテーマもにじませるという。萬斎は「鮎に人格を与えて、自然と人間との調和を具現化させる。新しい発想だ」と話す。

 物語は石川県のある清流で鮎釣りをしていた才助(石田幸雄)の前に、立身出世を願う小吉(萬斎)という男が現れる。才助は鮎を振る舞い、金沢の宿屋へ小吉を紹介。数十年後、二人は再会することになる…。舞台には、大鮎小鮎が計六匹登場する予定。狂言としては長い作品になる見込みで、歳月の経過を通じて出世を描く。萬斎は「狂言は笑いのためだけにあるわけではない。狂言の種類(幅)を示せる作品にしたい」と意気込みを見せた。

 十二月二十二、二十三両日、昼の部(開演午後一時)、夜の部(開演同六時半)の計四公演。昼の部は萬斎の父野村万作による狂言「魚説法(うおぜっぽう)」や、萬斎の小舞「鮒(ふな)」など。夜の部は萬斎の小舞「鵜飼(うかい)」、万作の狂言「宗八(そうはち)」など。「鮎」は昼夜とも上演される。

 国立劇場チケットセンター=(電)0570・07・9900。 (岡博大)

 

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