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【伝統芸能】

<歌い踊る切手>壬生の花田植(1993年) 賑やかに、華やかに

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 広島県の山間の町に、毎年六月、一万人もの見物客が詰め掛ける田植えがある。

 広島県山県(やまがた)郡北広島町に伝わる「壬生(みぶ)の花田植(はなたうえ)」だ。もちろん、ただの田植えでない。国の重要無形民俗文化財どころか、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「無形文化遺産」にも登録されているほどの田植えだ。広島県の「ふるさと切手」にもなっている。

 西日本では、本来の田植えが終わる頃に、豊作を祈ると共に、苦労を癒やすため、「田の神」を迎え、歌い囃(はや)しながら田植えをするという行事がある。これらは「花田植」や「大田植」などという。

 中でも「壬生の花田植」は、牛が十頭余り出て、総勢百人もが参加する大掛かりなものだ。

 行事は、奇麗に飾り立てられた牛が、神社から田まで行列するところから始まる。牛が田に入り代掻(しろか)きをした後、菅笠(すげがさ)に、艶(あで)やかな赤いたすきを掛けた「早乙女」が、田植え歌を歌いながら植えていく。それに合わせ、笛・太鼓・鉦(かね)の一団が、賑(にぎ)やかに囃す。これが「田楽」だ。

古い田楽の姿を伝える「西浦田楽」の「高足」=浜松市天竜区で

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 「田楽」は、平安時代に起こり、やがて田を出て、「田楽法師」と呼ばれる専業の芸能者たちが現れる。

 「田楽」という芸能の芸は、時代や場所により多様だが、「田楽法師」が演じた中に「高足」と呼ばれるものがある。足場の付いた棒に乗り、跳ねるというものだ。その姿に似ていることから名付けられたのが、豆腐やコンニャクを串に刺して、味噌(みそ)をつけた、おなじみの「田楽」だ。

 静岡県浜松市の「西浦(にしうれ)田楽」で、その姿を見ることができる。(横浜能楽堂館長・中村雅之)

 

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