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【伝統芸能】

<らくご最前線>師匠に通じる噺運び 新真打ち 立川志の八

 十一月十五日、東京・イイノホール(客席数五百)で「立川志の八 真打(しんうち)昇進披露落語会」が開かれた。

 志の八は立川志の輔の二番弟子(二〇〇〇年入門、〇九年に二つ目昇進)。昨年、真打ちに挑戦する落語会「しのはちの覚悟」を九月から三カ月連続で開催。「紺屋高尾(こうやたかお)」「火事息子」「芝浜」と大ネタで示した意欲を志の輔が認め、真打ち昇進が許された。満を持して臨んだこの昇進披露の会は、チケットが発売早々に完売となっている。

 立川晴の輔が「寿限無(じゅげむ)」、立川生志(しょうし)が「看板のピン」、立川左談次が「長短」、柳家花緑が「親子酒」、志の輔が「バールのようなもの」を演じた後、真打ち昇進披露口上へ。司会は志の輔の一番弟子、晴の輔。

 まずは生志が、志の八を昔からよく知る身として「うれしくて涙が出そう」と感激をあらわにすると、続く左談次は笑いを交えながら、立川流の重鎮ならではの含蓄ある言葉で門出を祝う。

 立川談志の師匠は五代目柳家小さん、ゆえに大きな意味で一門に当たる花緑は「彼はとても間がいい芸人」と、この会への出演の礼に来たタイミングの見事さに驚いたというエピソードを披露。志の輔が師匠としての思いを述べ、最後は左談次の音頭で三本締め。実に心温まる口上だった。

 トリを務めた志の八が高座に掛けたのは「竹の水仙」。伝説の名工・左甚五郎の逸話を落語化した名作で、志の八はめりはりの利いた演じ方で聴き手を引き込んだ。

 「竹の水仙」は志の輔の持ちネタにはない演目だが、噺(はなし)の運びと全体のトーンに師匠の志の輔に通じるものを感じた。これは新たな発見だった。

 多士済々の現代落語界にあって、新真打ちの志の八がどのような活躍を見せるか、期待がかかる。 (広瀬和生=落語評論家)

 

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